「本当に申し訳ない」 渋野日向子は初めての打球事故
◇国内女子◇デサントレディース東海クラシック 2日目(21日)◇新南愛知CC美浜コース (愛知)◇6446yd(パー72)
首位に6打差の8位からスタートした渋野日向子は4バーディ、2ボギーの「70」とし、通算5アンダーの20位に後退して最終日を迎える。首位との差は8打に開き、最終日の逆転に向けて「かなりのビッグスコアを出さないといけない。悔いの残らないように、しっかり攻めていきたい」と自らを鼓舞した。
この日は8491人(昨年比1522人増)のギャラリーが詰めかける中、同学年の原英莉花、練習ラウンドをともにすることも多い野澤真央との組み合わせ。初日(原と新垣比菜と同組)に続いて気心が知れた仲間たちとのプレーとなり、談笑するシーンも多かった。それでも「楽しさは、昨日ほどじゃなかったかも。ゴルフの内容が内容だったので」と話し、ショット、パットともに及第点からは遠い評価だった。
2つ伸ばして迎えた前半9番の1Wショットではフィニッシュで片手を離し、ボールは大勢のギャラリーが待つ左サイドへ。スタッフからボールが男性ギャラリーに直撃したことを聞いた。硬い表情で2打目地点に向かい、その男性と対面し、「大丈夫そうだったので、ケガをされなくて良かった」とホッと一安心。その場でサインを書き入れたボールを手渡すと周囲から拍手が起こり、男性から「ありがとうございます。頑張ってね」と感謝された。
「かなりの“殺人ボール”を打っていたのに、ぜんぜん怒りもされなかったので。本当に申しわけないな、と思いながら…」と渋野。記憶では「初めて」という打球事故。このホールは2打目を刻んだあとの3打目を寄せきれずにボギーとしたが、男性から声援を受けたこともあったのか、「切り替えはできていた」と動揺することなくプレーを進められたという。
「後半の何ホールかは、悪い(体が)浮き気味のスイングをしていたのかな、というボールが飛んでいた」。終盤は「何とか修正はできた」と最終日に向けて大きな不安はない。最終18番ではフェアウェイから117ydをPWでピン左3mにつけてバーディフィニッシュ。大歓声を浴びて満面の笑顔でグリーンを降り、「いやあ、ホンマにホッとしました」と安堵の表情だった。(愛知県美浜町/塚田達也)