渋野フィーバーが新記録へ追い風に? メジャーなのに距離が短い理由
◇国内女子メジャー第2戦◇日本女子プロ選手権大会コニカミノルタ杯 事前(11日)◇チェリーヒルズGC(兵庫)◇6425yd(パー72)
渋野日向子は開幕前日の記者会見で、連続オーバーパーなしのツアー新記録に向け「普通にできれば、更新できる」と珍しく、強い自信をのぞかせた。
アン・ソンジュ(韓国)の28ラウンド連続記録に並んでおり、12日の第1ラウンドに記録更新がかかる。追い風となりそうなのが、“渋野フィーバー”を見越してのコースセッティングだ。
今季メジャー第2戦の総距離は6425ydに設定された。直近10年間の「女子プロ選手権」で、最も長かったのは2016年大会の6750yd、逆に最も短かったのは10年大会の6601yd。日本女子プロゴルフ協会(LPGA)肝いりのメジャー大会としてセッティングに工夫を凝らしてきた同大会で、今年の6425ydは極端に短い。
理由は、渋野効果で例年より大勢の観客が見込まれることだ。セッティングを担当した岡本綾子はチェリーヒルズGCのアップダウンが激しく、コース内の観客の通路が狭いことなどを考慮し「ギャラリーと選手の交差や、導線を考えた。安全面も踏まえ、6400ydほどが妥当と判断した」と説明する。
夏場の高温により想定以上に伸びたラフは最長30cmに達するものの、柔らかいグリーンで球は止まりやすいとして、多くの選手が激しいバーディ合戦を見据える。鈴木愛は「優勝は15~20アンダーだと思うけど、さらに飛びぬける選手がいてもおかしくはない」と予想した。
こうした声に対し、岡本は「1日4、5アンダーを出す選手が一握りはいると思うが、20アンダーだったら独走になると思う。15アンダーくらいになるのでは」と指摘した。
渋野は「ティショットをしっかりフェアウェイに置けば、チャンスにはつけられる。このコースは出遅れた時点でダメなので、初日からガツガツといきたい」と力を込め、「カットラインは確実にアンダー。一日も油断できない」と記録更新の向こう側に視線を向けた。(兵庫県三木市/林洋平)