10代最後の日に初V 稲見萌寧「最高の誕生日プレゼント」
2019/07/28 18:25
◇国内女子◇センチュリー21レディスゴルフトーナメント 最終日(28日)◇石坂GC(埼玉)◇6470yd(パー72)
最終18番(パー4)で3mのウィニングパットを決め、稲見萌寧がツアー初優勝。あす29日に20歳の誕生日を迎えるが「こみ上げてくるものがありました。こんな最高の誕生日プレゼントはないですね」。大歓声とともに右腕を空へと高く突き上げ、うれし涙をみせた。
昨年7月のプロテストでは、カットライン上の20位で合格。祖父・昭(あきら)さんも喜んでいたが、同年11月に胃がんにより69歳で他界した。誰よりも初優勝を待ち望んでいた天国の恩人に最高の結果を届けてみせた。
同年11月の予選会(QT)はランク103位と今季の出場は限定的だった。それでも41歳の父・了(さとる)さんは「子供の頃はインフルエンザになっても練習を休まなかった」。オフシーズンは同年12月から師事したコーチの奥嶋誠昭(おくしま・ともあき)さんのもと徹底的に鍛え直した。
稲見は「賞金ランクで自分より上の人がいるのに、休んでいる場合じゃない。持ち味だったショットが崩れていたので、コーチからは『切り返しの時に下半身を使え』と。ショットからメンタルまで全て教えてもらいました」。今年6月の「アース・モンダミンカップ」終了後に行われた第1回リランキング(出場優先順の入れ替え)で14位に入り、以降の出場権を得た。
10代最後の日に臨んだ初めての優勝会見。米ツアーについては「挑戦してみたい気持ちはあるけど、日本でずっと一番を獲れるようになってから考えることかな」と表情を引き締めた。今季11試合でトップ10は6度と着実に力をつけてきたが、まずは冷静に2勝目を目指す。(埼玉県鳩山町/石井操)