個人戦ラストゲームを終えて――「痛感したロングゲームの差」 香妻陣一朗のLIVゴルフ通信 @CHICAGO
◇LIVゴルフリーグ◇シカゴ◇ボーリングブルックGC(イリノイ州)◇7131yd(パー70)
LIVゴルフリーグに今季からシード選手として出場している香妻陣一朗。チームメートから「JINI(ジーニー)」の愛称で呼ばれる彼が、世界のトップ選手が集うLIVの雰囲気や、試合の舞台裏、そして自身が所属するチーム「アイアンヘッズ」の内輪話といった現地情報を届ける。個人戦ラストゲームの地、シカゴから発信。
個人戦の最終戦が終わりました。大会前のポイントランキングは45位。シードを確定させるには優勝するしかないと分かっていたので、そこを目指して最後まで頑張りましたが、結果は15位でした。今季13戦中で2番目にいい成績でしたが、やっぱり上位の壁は厚かった。最終的にポイントランキングは45位のまま個人戦のシーズンを終了しました(シーズン最終戦は団体戦のみ実施)。
同ランク25~48位はトレードか放出対象となる「オープンゾーン」で、来シーズンのシードは確定できませんでした。所属していた「アイアンヘッズ」が僕をチームの一員として迎え入れてくれれば、来季の出場権はもらえます。けれど、キャプテンのケビン(・ナ)からは、「来年は韓国人選手でチームを作りたい」と事前に聞かされていたので、自分がそこに入るのは正直難しいかなと思っています。
また、他のチームもだいたいメンバーが固まっているので僕が拾われる可能性は低い。現段階では来季の出場権を他のルートで探るしかない状態です。アジアンツアーのインターナショナルシリーズランクトップでの資格を目指すか、QTを突破するか、ともに険しい道ではありますが、その2つのルートで再挑戦する形だと思っています。いずれにしても、来年再びLIVの舞台に必ず戻ってきたいですね。
LIVのメンバーとして一年間戦って思ったのは、成績上位選手のゴルフのクオリティの高さ。個人戦で総合優勝したジョン・ラーム(スペイン)やランキング2位のホアキン・ニーマン(チリ)もそうですが、飛距離が出て、アイアンの精度が高く、ショートゲームも上手いオールラウンダーが多いこと。そうした上位選手たちと自分は何が違うのかと思ったときに、最も大きく感じるのは「ロングゲームの差」でした。
トップ選手と比べると4番や5番アイアンあたりの精度が違う。球の高さがそもそも違うし、飛距離も2番手ぐらい変わる。シーズン序盤から課題として取り組んではいましたが、その差を縮めるのは簡単ではなかった。LIVで上位に入るには、やはりそこを埋めなければいけないと痛感しました。
一方で、同時に自分の成長を感じた一年でもありました。ティショットの精度は良くなっていますし、アプローチやパッティングは確実にレベルアップしているのも感じます。グリーン周りは上位選手に引けを取らないと自負しています。自分の引き出しも確実に増えているのを実感していますし、だからこそ来年またここに戻ってきたい気持ちが強い。一つ言えるのは、どんな大会に出て、どんな強い選手と回っても、気後れしなくなったということ。今回もフィル・ミケルソンやルイ・ウーストハイゼン(南アフリカ)と回りましたが、昔だったらだいぶ緊張してあがっていたんじゃないかなと思います(笑)。
やっぱり、ものすごい顔ぶれの選手たちと同じフィールドで一年間戦ってきた経験は何物にも代え難い。自分のプロゴルフ人生にだいぶプラスになったのは間違いありません。ひとまず今週の団体戦「チームチャンピオンシップ・ダラス」で頑張って、最後にチームに貢献したいです。その先のことは、また終わってから考えたいと思います。