10万人近いファンの前で優勝争い 香妻陣一朗のLIVゴルフ通信＠ADELAIDE

◇LIVゴルフリーグ◇アデレード◇グランジGC（オーストラリア）◇6956yd（パー72）

LIVゴルフリーグに今季からシード選手として出場している香妻陣一朗。チームメートから「JINI（ジーニー）」の愛称で呼ばれる彼が、世界のトップ選手が集うLIVの雰囲気や、試合の舞台裏、そして自身が所属するチーム「アイアンヘッズ」の内輪話といった現地情報を届ける。今回は第6戦目の地、オーストラリアのアデレードから発信。

6戦目はオーストラリアでの試合でした。僕は年間の試合の中で、特に今回のアデレードを楽しみにしていたんです。なにせ、去年の試合は8万人近くのお客さんが入ったって聞いていましたからね。一つの試合にそれだけのお客さんが入るってやっぱりすごい。メジャークラスの選手がオーストラリアに来ることはなかなかないですし、グレッグ（・ノーマン）CEOのおひざ元でもありますし。ファンが集まる理由はいろいろありますが、いずれにせよ、アデレードはこの一週間お祭り騒ぎでした。

さて、ことしも無事に（？）総ギャラリー数を更新しました。試合の3日間トータルで9万4千人強のお客さんが入ったみたいです。しかも最終日はチーム戦の1位と2位を決めるプレーオフがあって、戦うのがオージーチームの「リッパーGC」（キャメロン・スミス、マーク・レイシュマンら）だったんです。地元チームとあって、もうギャラリーの興奮は“ヤバかった”ですね。最後18番のグリーン近くまでギャラリーがなだれ込んできてチームを後押し。メジャーさながらの雰囲気で、そのリッパーGCが優勝を決めたときは耳をつんざくような歓声でした。

僕もこれだけのギャラリーの中でプレーする機会はなかったので、かなり気持ち良かったです。オーストラリアの人はいいショット打ったら盛り上がってくれるし、パットを外したら一緒に「オー！」って残念がってくれ、反応がとってもいい。ティショットでドライバーを持たないとブーイングがあり、時に野次も飛びますが、ドライバーを持っていいショットを打つと大歓声で応えてくれる。お酒を飲んで酔っ払っている人もいますが、試合を楽しんでいる雰囲気はすごく良かったですね。

そんな中、初日に今季初の単独首位に立ちました（9アンダー）。ホールアウトしてから、いろんな選手から「NICE！」と言われ、ケビン（チームキャプテンのケビン・ナ）も駆け寄ってきてくれて。もちろんギャラリーも応援してくれて、いつもと違う雰囲気に僕も興奮しました。LIVのフィールドのメンツにも慣れてきて、ようやく自分のゴルフができたかなって思います。初日はチームメンバーと同組だったのも良かったですね。チームメートのダニー（・リー）とスコアを伸ばし合って、2人で鼓舞し合いながら戦いました。ダニーも8アンダーでしたから、チーム戦でも初日は2位と上位に食い込みました。

「残り2日間でなんとか粘ろう」って頑張りましたが、結果的には最後は詰め切れませんでした（9位タイ）。上がり3ホールでスコアを落とした悔しさもありますが、それも上の順位を見て攻めた結果。今季初のトップ10にはとても手ごたえを感じています（8.4ptを獲得して年間ポイントレース37位タイ）。日本から家族も応援に来ていたので、いいプレーを見せられたのは良かったです。ギャラリーが多すぎて、僕のプレーを見られないホールもあったみたいですけど(笑)。

今週はシンガポールに移動して、セントーサ島での試合です。コースは良く知っていますし、いいスコアを出して後半戦に向けてもっと順位を上げていきたいです。