2019年 関西オープン

どん底から自己ベスト 大槻智春が81位から8位に急浮上

2019/05/24 19:17
予選落ちの危機から上位に飛び込んだ大槻智春

◇国内男子◇関西オープンゴルフ選手権競技 2日目(24日)◇KOMAカントリークラブ(奈良県)◇7043yd(パー72)

81位から出た大槻智春が7バーディ、ノーボギー、自己ベストを1打更新する「65」で回り、通算6アンダーの8位タイに急浮上した。グリーンを外したのはわずか1ホールという安定したプレーに「きょうは満足です」とうなずき、首位に5打差で週末へ折り返した。

ベストスコアを更新する2週前には、精神的にどん底の状況にあった。「ダイヤモンドカップ」を19位で決勝に進みながら、「77」「75」をたたいて49位。「自分の調子が悪かったのか、コースが難しかったのか。あまりに酷すぎて分からなかった」と、下位で大会を終えた落胆は大きかった。

それだけに、先週のオープンウィークは「ゴルフに関することを、いろいろとやった」という。気分転換もかねて、成功への経験則を提唱する『一万時間の法則』に関する本も読んだ。「いまというよりも、これからツアーで戦っていくには…。先のことを考えて、必要なものを取り入れたかった」。本を手に取ったのは、大たたきのショックによる影響も少なからずあったと振り返る。

そんな気持ちの切り替えが奏功したのか、2週前のうっぷんを晴らす猛チャージ。広くて傾斜が強いグリーンに対し、「上段のピンに対しても、しっかり段を越えて付けられた。セカンドの付けどころに気を付けたら自然とスコアが出た」と、緻密なマネジメントでコースを攻略。予選落ちの危機から一気に上位争いに飛び込んだ。

2017年の下部ツアーで賞金王に輝き、18年からレギュラーツアーに定着した29歳。同年は賞金ランキング40位に入り、今季は初めてシード選手としてシーズンを戦う。まずは「打っちゃう傾向にある」という3日目を乗り切り、首位の背中を追いかけたい。(奈良県奈良市/塚田達也)

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