石川遼の後悔 カシオ会長兼CEOの逝去に沈痛
◇国内男子◇ダンロップ・スリクソン福島オープン 事前情報(20日)◇グランディ那須白河ゴルフクラブ (福島)◇6961yd(パー72)
男子プロゴルフの石川遼は20日(水)、所属契約を結ぶカシオ計算機の樫尾和雄会長兼最高経営責任者(CEO)の逝去について沈痛な面持ちを浮かべた。
樫尾会長は18日(月)、東京都内の病院で誤嚥(ごえん)性肺炎のため89歳で死去。石川は2013年に同社と契約し、当時社長だった樫尾氏と縁を持った。同年から主戦場を米ツアーに移したが、一時帰国した際にはあいさつに出向いてきた。昨年12月に呼吸器をつけた会長と話したのが最後の面会となった。
今週、「ダンロップ福島オープン」に出場する石川は19日(火)の練習中に悲報を知った。「ショックですね…。本当によく自分のゴルフを見てくださっていた」。時に厳しい言葉で叱咤され「『なぜ世界で通用しないかを考えること、なぜだと思うことがすごく大事』と契約当初からずっと、単刀直入に言ってくださる方だった」という。
米ツアーでの5年間についても「世界に挑戦する姿勢を常に応援してくださった」。2016年にはホストプロとして出場の日本ツアー「カシオワールドオープン」を欠場し、松山英樹と同週に行われた「ISPSハンダワールドカップ」に出場した。「会長に相談をさせていただいた。『英樹と組んで世界一を取りたい』という話をした。それを(企業)トップとしてGOサインを出してくださったのが、最大の恩でもある」
だからこそ、「その恩を返すのがカシオワールドの優勝だった」と石川。通算14勝の中に同大会のタイトルはなく、13年以降は2位が2回。会長が最終日にロープの外で帯同した2015年は逆転負けを喫したことも思い起こし「本当に後悔している」とうつむいた。3週ぶりに再開される国内ツアー。リーダーには背負うべきものがまたひとつ増えた。(福島県西郷村/桂川洋一)