1年前の緊張から解放 一変した星野陸也の予選ラウンド
2018/04/26 19:39
◇国内男子◇中日クラウンズ 初日(26日)◇名古屋ゴルフクラブ 和合コース(愛知)◇6557yd(パー70)
今なら明かせる。昨年初めて「中日クラウンズ」に臨む前の星野陸也の頭の中は、ゴルフどころではなかった。予選ラウンドを同組で回ったのは青木功と尾崎将司。周囲の期待の表れとはいえ、両レジェンドを同伴競技者にしたルーキーの重圧は並大抵のものではなかった。「失礼があってはいけないと思って…」。あの時、ティオフ直前まで必死に覚えたのはコースの攻略法ではない。スマートフォンで懸命に調べた、ふたりの経歴だったという。
あれから1年。来月ようやく22歳になる星野は、この初日に5アンダーの首位発進を決めた。後半12番までに5バーディを奪取。第1打をバンカーに入れた13番(パー3)をボギーとしたが、17番(パー3)で4mのバーディパットを沈め「65」でまとめてみせた。
フェアウェイキープ率は28.57%と低調だったにも関わらず、ラフからチャンスを何度も演出した。序盤の3番、右ラフから9Iでの第2打がフライヤーで想定よりも25ydも遠くに飛び、「次からはフライヤーを20yd計算した」。作戦は功を奏し、以降はティショットの不振をきっちりカバー。抜群の飛距離性能を活かしながら、「(和合は)グリーン勝負だと思っている。きょうはパターが入ったのでうまくいった」と冷静にマネジメントした。
今大会の予選ラウンドの同伴競技者は1年前とはうって変わって、ともに20代の今平周吾と時松隆光。「若手で楽しく回れました」と本音がこぼれたのもうなずける。「でも(前年大会は)本当に貴重な経験。あんなに光栄なことはない」と実感を込めながら、練習場へと飛び出した。(愛知県東郷町/桂川洋一)