「間にあった」とは?宮里優作が初の選手会長賞金王へ照準
◇国内男子メジャー◇ゴルフ日本シリーズJTカップ 3日目(2日)◇東京よみうりカントリークラブ(東京)◇7023yd(パー70)
賞金王が決定するツアー最終戦。最高の舞台は自身の力で整えた。「やっとこさ、間にあったかな」と、納得顔でうなずいたのは宮里優作。この日、1イーグル3バーディの「65」で回って、通算7アンダーの首位に浮上。自身初、そして現役選手会長としても初めての賞金王へ前進した。
「(プレッシャーは)ありますね。ありましたけど、退路はだいぶ前に断ちました」と宮里は言う。優勝しか道はない。初日、2日目と「69」を続け、この日は一気に「65」。前日まで安定しなかったパッティングも「ハンドファースト気味に押していくイメージ」にしたことで復調した。「タッチ感が出てきた。(入るまで)待てる感じだった」と振り返った。
4番では6mのパーパットをしぶとく沈めた。6番(パー5)では、グリーン左7ydからのアプローチがピンに当たってカップイン。「ラッキーでした。チャックリしそうなライだったので、2mくらいオーバーしてもいいかなと思って打ったら、強めに出たけど入ってくれた」と、イーグル奪取に驚いたように目を見開いた。
快進撃は止まらない。9番では2打目を1mにぴたり。折り返し後の14番では、2打目が上空を横切る電線に当たって打ち直しとなり、「あれは入っていたと思うな」と冗談めかして笑ったが、(無罰で打ち直した)2度目の2打目も、ピン手前2mにつけてバーディとした。秋晴れの青空を華麗に切り裂くショットに、4000人を超えるギャラリーが拍手を送った。
今週初のノーボギー。「間にあった」という言葉が、状態の良さを物語る。「こういうプレッシャーの中でやって、どこまで自分が行けるかという、良い経験をしていると思う。よくここまで3日間つないだなというのはある」。大きく息をはき出し「やっとスタートラインに立ったのかな」
賞金王を争う小平智が宮里の応援に回ったと伝え聞くと、「それは、(12月の)結婚式でたくさん包めということですね」と切り返した。「まあ、どっちが賞金王になっても盛り上がると思う。夫婦で賞金王も良いと思う」と、選手会長らしく話を結んだ。(東京都稲城市/今岡涼太)