国内男子ツアー

シード落ちの危機 川村昌弘が御殿場で優勝争いを目指す理由

2017/11/09 18:32
首位と3打差のスタートを決めた川村昌弘

◇国内男子◇三井住友VISA太平洋マスターズ 初日(9日)◇太平洋クラブ御殿場コース(静岡)◇7246yd(パー72)

日本、アジア、欧州。3ツアーのシード権保持に黄信号が灯る川村昌弘が8バーディ、2ボギーの「66」で回り、6アンダーの5位タイで滑り出した。今季国内ツアーでのトップ10入りはいまだゼロ。復調の兆しをつかんで迎えた今大会はシーズン終盤戦の身の振り方を左右する大一番だ。

秋晴れの陽光に照らされて、川村が上位争いに顔を出した。後半3番(パー5)までに5つのバーディをマークして勢いづき、今季初のひとケタ順位でのスタートに「久しぶりですよ」と納得の笑顔。「やっぱり“飛ぶ”って大事ですね。今年は振れているし、マインドも“振りちぎってやろう”というようになってきたので、コースが短く感じる。(2打目のクラブが)いつもと4番手くらい違う」。クラブは替えずに、アグレッシブにティショットから攻めの姿勢を保って、コースと向き合った。

現在、日本ツアーの賞金ランキングは78位。掛け持ちするアジアンツアーは85位と、いずれも来季のシード獲得圏外にいる(日本は60位までがフルシード、61位から75位までに前半戦の限定的な出場権が付与。アジアンツアーは60位まで)。

世界のあらゆる土地に出向き、海外でのプレーを好む川村にとってはまさに正念場。次週、宮崎での「ダンロップフェニックス」を終えた後、その翌週はアジアと欧州の共催競技「UBS香港オープン」に出場する意向を持っているが、今大会終了後の13日(月)、エントリー締め切りまでには、香港か、同週の日本ツアー「カシオワールドオープン」に出るかを決めなければならない。

「香港はチャンスのある試合なんです。(会場の香港GCは)ロングヒッターもティショットでクリークの手前なんかに刻まされるホールが多いので、同じような距離でセカンドショットを打つ。チャンスがあるので出たいんです」。

今週、御殿場で来季の日本ツアーのシードを確定させて、2週後に再び海を渡るのが理想のプラン。「優勝争いをしたい。手ごたえも、ここ1カ月くらいはある。思い切りやれればいい。こういう面白い位置で、最後までいたいですね」。若き旅人ゴルファーは、多くの選手とはまた異なるモチベーションでも戦っている。(静岡県御殿場市/桂川洋一)