トレーナーに10kg増を指令 高山忠洋は腰痛解消へ光明
◇国内男子◇アジアパシフィック ダイヤモンドカップ 初日(21日)◇カレドニアン・ゴルフクラブ (千葉)◇7100yd(パー71)
10個のバーディが並ぶ華やかなスコアが復調の証しだ。シーズン前半は腰痛に苦しんだ高山忠洋が10バーディ、1ボギーで自己ベストを1打更新する9アンダー「62」をマークし、2012年「コカ・コーラ東海クラシック」以来となる首位発進を決めた。
4月中旬に悪化したという持病の腰痛。国内初戦の「東建ホームメイトカップ」から2試合連続予選落ちとつまずき、5月下旬「ミズノオープン」では途中棄権。新しいトレーナーを迎えた6月から症状は少しずつ回復し、2週間前「ISPSハンダマッチプレー選手権」では5マッチを勝ち抜いて3位に入った。
前週は休養を取り、「3日間で3時間ずつ」とたっぷり時間をかけて腰のケアを行った。「ハリと電気、オイルマッサージ。腰だけではなく全身です」という入念なケアの甲斐もあり、体はすっかりリフレッシュ。好調なショットにパットがかみ合い、「自分でもビックリしている」というビッグスコアに結び付けた。
「良い方向に向かっている。今のトレーナーが一生懸命に頑張ってくれているおかげ」と感謝の言葉を贈ったのは、6月「日本ゴルフツアー選手権」から専属トレーナーになった塚田昇起さん(30)。前日のプロアマラウンド後も2時間30分、今朝のスタート前も1時間20分ほどかけて腰のケアを行った。
「僕の注文をぜんぶ受けとめてくれる」という1つには、“体重を10kg増加”という要望も含まれていた。「彼は細かったので(マッサージなどで)体重が乗ってこない。まずはそこから」。指令を受けてからの塚田さんは1回の食事量を増やし、ときには「吐きそうなほど食べた」(塚田さん)こともあったという。3カ月前は70kgだった体重は75kgにアップし、早くもノルマの半分に達した。
「彼なくしては戦えない。感謝しています」という高山の言葉を塚田さんに届けると、「ありがたいですね」とニッコリ。お互いの努力が報われる日を信じて、2人の数時間にわたるラウンド後の戦いはきょうも続く。(千葉県横芝光町/塚田達也)