勝負所でスーパーショット連発 池田勇太がプレーオフで貫禄勝ち
◇国内男子◇ANAオープンゴルフトーナメント 最終日(17日)◇札幌ゴルフ倶楽部 輪厚コース (北海道)◇7063 yd(パー72)
池田勇太の強さが凝縮されたプレーオフだった。通算13アンダーの首位に並んで迎えた時松隆光、今平周吾との3人による争いは、池田が2ホール続けてピンに絡める連続バーディで決着。8月「RIZAP KBCオーガスタ」に続く今季2勝目とし、優勝賞金2200万円を加えた賞金ランキングは13位から6位に浮上した。
1打差を追ってスタートした最終日は、「流れが良くなかった」と混戦の上位争いから抜け出せない展開が続いた。その中でも終盤17番(パー5)でバーディを奪い、1打リードの単独首位に立って迎えた18番。左ラフからの2打目はグリーンをオーバーし、ラフからのアプローチを寄せきれずにボギー。「自業自得。ボギーでプレーオフにもつれこまれたから、プレーオフはバーディしかないと思った」。消沈する間もなく、闘志に火がついた。
18番で行われた1ホール目では、先に打った時松がピン手前30cmにつけるスーパーショット。「やってくれるなあと思ったので、やり返そうと思った」。フェアウェイから90ydをSWで放った2打目をピン右50cmに絡め、バーディを分け合う。パーとした今平は脱落し、時松との2ホール目に進んだ。
1打目はともにフェアウェイへ。時松はグリーン左奥のラフに外したが、池田は98ydからの2打目を再びSWでピン手前1m強につけて、圧巻の連続バーディ。ボギーとした時松に貫禄を見せつけ、2014年から契約するANA主催大会で初のホスト優勝、そしてツアー史上最年少の生涯獲得10億円突破(31歳269日)を決めた。
「納得のいくゴルフができたのはプレーオフの2ホールだけだった」と苦笑いを浮かべながらも、勝負所で最高のパフォーマンスを発揮できるのも実力者の証。「海外遠征を含めて、ANAのみなさんには本当にお世話になっている。この大会で優勝できて一安心です」。サポートを受ける機内で心地よい余韻に浸りながら、北海道からの帰途につく。(北海道北広島市/塚田達也)