2017年 ダンロップ・スリクソン福島オープン

福島出身の妻の誕生日に奮起 高橋竜彦の第2の故郷

2017/07/28 18:31
なんとか予選通過…高橋竜彦と葉月夫人は、ホールアウト後に福島での全国植樹祭に向けたチャリティをPRした

◇国内男子◇ダンロップ・スリクソン福島オープン2日目(28日)◇グランディ那須白河ゴルフクラブ(福島県)◇6961yd(パー72)

今季ツアー初出場の高橋竜彦が、縁深い土地で決勝ラウンドに進んだ。4アンダー27位タイから出て「72」とスコアを伸ばせなかったものの、最終18番(パー5)で1.5mを沈めたバーディが効いた。この日はキャディを務める妻で女子プロの牛渡葉月の44歳の誕生日。13番で手首を痛めるアクシデントを乗り越え、夫婦で安堵した。

2011年末にシードを喪失したツアー2勝の高橋は、「福島オープン」がツアー競技として初開催となった14年に待機選手から出場して活躍。主催のダンロップスポーツと長く契約を結び、「大会アンバサダー」を務めている。

この日のホールアウト後には、来年春に復興のシンボル事業として県内で開催する全国植樹祭に向けた、会場内でのチャリティ活動をPR。2年前から地元バス企業の「浜通り交通」も自身のスポンサーとなり、「出場権もなく、出られる試合も限られている中で非常にありがたく、うれしい」と感謝しきりだ。

福岡県出身の高橋は、福島を「第2の故郷」という。葉月夫人の実家は南相馬市にある。6年前の津波で大きな被害は免れても、他人事と思えるはずがない。建物で隠れていたはずの4km先の海が、見えるようになってしまった。周辺の仮設住宅が撤去され、復興への道を歩んでいる実感もあるが、終わりは見えていない。

「ここ最近、地元の福岡で洪水被害もあった。昨年は熊本でも震災があった。福島はプラス、原発の問題がある」と高橋。「10年、20年で解決する話ではなく、もっと時間のかかる問題。プロゴルファーにできるのはゴルフしかない。この大会を盛り上げて、1年でも長く開催していただけるように選手が努力したい」と神妙に話した。(福島県西郷村/桂川洋一)

2017年 ダンロップ・スリクソン福島オープン