2017年 中日クラウンズ

涙の敗戦から1年 片岡大育がリベンジへ1打差3位

2017/04/29 19:15
リベンジなるか…17番でバーディパットを沈めた片岡大育

◇国内男子◇中日クラウンズ 3日目(29日)◇名古屋ゴルフ倶楽部 和合コース(愛知県)6545yd(パー70)

不思議な縁すら感じさせる巡り合わせだ。前年大会でプレーオフで敗れた片岡大育が首位に1打差の3位タイで最終日を迎えることになった。8バーディ、1ボギーの「63」をマークし、通算10アンダー。1年前のリベンジを誓った大会で、昨年の「トップ杯東海クラシック」以来となるツアー通算3勝目のチャンスをつかんだ。

13番までに圧巻の6バーディ。最高の流れは、雷雲接近による1時間50分あまりの中断で切れかかっていた。再開後の16番で第2打をバンカーに入れ、この日初めてのボギー。恨み節を並べたくなる気まぐれな空模様の下、片岡は終盤にビッグプレーを連発した。

17番(パー3)、10m近い下りのスライスラインを流し込んでバーディ。キム・キョンテ(韓国)に敗れた昨年のVTRを事前に見返していた成果だった。「キョンテはすごく良い集中力で打ったのに、ものすごくスライスして切れた同じラインだった」

1Wショットを右に曲げた最終18番は、グリーン左手前の難しいバンカーから鮮やかなチップイン。「左からの(下り)傾斜に乗せて…というイメージだったけれど、まさか入るとは」という神がかり的な一打で、2連続バーディで締めくくり、今年も再び最終日最終組に滑り込んだ。

2打リードで迎えた終盤17番でダブルボギーを叩き、プレーオフに持ち込まれた昨年、ホールアウト後のインタビューで思わず涙した。“打倒・和合”に込めた思いは誰より強い。「もう泣かないと決めていたけれど、勝って泣きたい」。首位から4打差以内に9人がひしめく混戦の最終日。1年越しの美しいシナリオを完結させたい。(愛知県東郷町/桂川洋一)

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