2016年 三井住友VISA太平洋マスターズ

45歳の細川和彦 解説席から松山英樹の好敵手に?

2016/11/10 18:23
大会に推薦出場している細川和彦は、松山英樹に3打差の5位で滑り出した

◇国内男子◇三井住友VISA太平洋マスターズ 初日(10日)◇太平洋クラブ御殿場コース(静岡)◇7246yd(パー72)

「WGC HSBCチャンピオンズ」で日本人初の世界選手権シリーズ優勝を果たした松山英樹の凱旋試合で、45歳が気を吐いた。2013年末に賞金シードを失い、推薦出場した細川和彦が「68」で4アンダー5位タイと好スタートを切った。

細川といえば、カーボンシャフトのアイアンを男子ツアーで使用してきた“先駆者的存在”。そのベテランは今週、10年ぶりに(アイアンを)スチールシャフトに総入れ替えした。

開幕3日前の7日(月)に一緒にラウンドした選手のクラブを握って好感触を得ると、メーカー担当者に即相談。日本シャフトのN.S.PRO MODUS3 TOUR 130(硬さS)に差し替えて臨んだ9日(水)のプロアマ戦でいきなり優勝した。本戦で初めて使ったこの日は5バーディ、1ボギー。「いまの体の回転とタイミングに合っているシャフトなんだと思う。カーボンよりも粘りもあって良い」と手応えはいっそう確かなものになった。

昨年はサードQTで失敗し、今季はこれがわずか6試合目。出場機会にすら恵まれないシーズンを過ごしているが、ツアー通算8勝の実績から日本ツアー各大会のコースセッティングの担当者のひとりに選ばれた。すでに9月「フジサンケイクラシック」で設定を任され、外からトーナメントを見る立場は「自分にもプラスになっている」という。

10月には「日本オープン」のハイライト番組の解説者を務めた。その2週後、今度は世界選手権シリーズ「WGC HSBCチャンピオンズ」の生中継で解説席に座った。いずれも優勝したのは松山で「(中継局の)NHKの方にも言われるんですよね」と笑う。

両大会のチャンピオンはこの日、7アンダーの単独首位発進。細川は「まあ、そういうことは意識せずにやるよ」と自分のゴルフに徹するつもりだが、数週間前までコメンテーターと選手という関係が、突如としてタイトルを争うもの同士に変わるかもしれない。(静岡県御殿場市/桂川洋一)

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