2016年 ホンマ・ツアーワールド・カップ

プレーオフは9ホール目で決着!池田勇太「付き合わせてすみません」

2016/10/10 11:54
9ホールのプレーオフを制し今季2勝目をマークした池田勇太は青木功JGTO会長と握手を交わした

◇国内男子◇HONMA TOURWORLD CUP AT TROPHIA GOLF 最終日(10日)◇石岡ゴルフ倶楽部(茨城)◇7071yd(パー71)

日没順延により翌月曜日に持ち越されたプレーオフは、前日行われた4ホールと合わせて9ホールに及び、池田勇太ソン・ヨンハン(韓国)を振り切って今季2勝目、ツアー通算15勝目をマークした。

プレーオフが最終ラウンドの翌日に順延されたのは1999年の日本ゴルフツアー機構(JGTO)発足以降、ツアーでは初めての事例。ギャラリーの入場は禁止され、午前7時30分に再開されたとき、18番グリーンを取り囲んだのは通常営業のコースに来場した一般ゴルファーだった。

18番の繰り返しで行われたプレーオフは、前日に完了した4ホール目までと同様、5ホール目以降も両者パーを並べた。「自分がどこまで我慢できるか試されている気がした」と池田。トータル9ホール目(この日の5ホール目)、フェアウェイからの第2打をピン左上約2mのチャンスにつけ「ヨンハンもボギーを打つ雰囲気はなかった。自分がバーディパットを入れないと勝てない」と覚悟を決めた。カップ際でやや右に切れる下りのラインを読み切ってウィニングパットを沈めると、パターを突き上げ、喜びを爆発させた。

「81ホールも付き合わせてすみません」。激闘のプレーオフを制し、会見場に表れた池田の表情は清々しかった。前週を含め、ここ1カ月で「ANAオープン」、「トップ杯東海クラシック」と2度の2位惜敗を繰り返した。いずれも最終日に最終ホールのボギーで優勝を逃す苦い経験をした。届かない勝利に、足りないピースを探し続ける日々が続いたが、ようやくそれが埋まりつつある。

「ようやく2勝目を挙げることができた。勝てたのは自分のやるべきことが、すべてできたから。状況の把握、1Wをフェアウェイに運んで、いいところにつけて・・・そういうひとつひとつのプレーを自分でコントロールできたことが大きかった」と勝因を挙げた。

初の賞金王のタイトル獲得を狙う今シーズン。ランキングは谷原秀人に次ぐ2位に浮上した。3日後には国内メジャー「日本オープン」初日を迎える。大会連覇を狙った昨年、終盤の失速で2位に泣いた。「優勝争いして、最終ホールを迎えた時、どういう気持ちで戦えているか」。苦しんだ1年の成果はそこで確かめられる。ピースを埋め、確固たる自信につなげるために、新たなスタートラインに立つ。(茨城県小美玉市/糸井順子)

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