自力で掴んだチャンス 木下稜介は先輩・片岡大育の背中追う
◇国内男子◇ANAオープンゴルフトーナメント 3日目(17日)◇札幌ゴルフ倶楽部 輪厚コース(北海道)◇7063yd(パー72)
10位から出た25歳の木下稜介が、ムービングデーを1イーグル、5バーディ、4ボギーの「69」でプレーして、通算11アンダーの6位に順位を上げた。
579ydの17番(パー5)。ティショットをフェアウェイ右サイドのファーストカットに運ぶと、やや沈んだライからの残り256yd、フォローの風、5Wで振り抜いた第2打はピンまで約5mにグリーンオン。「スライスに見えるけど、曲がらない」難しい下りのラインを読み切って、会心のイーグルとした。
22歳でプロの世界に飛び込んで4年目になる。今週を含め、今季出場したレギュラーツアー4試合は全て予選会、マンデートーナメントを通過して自力で手にした出場権だ。2週前の「フジサンケイクラシック」、今週の「ANA-」はいずれもトップ通過。その理由は「調子の良さ」がすべてだという。
今週は、3日目を終えて2位につける片岡大育と練習ラウンドを行い、「コース相性の良い片岡さんにマネジメントのアドバイスをもらえたことも大きかった」と、風がまわりやすいコースの攻略法を伝授された。第3ラウンドのティオフ前に会場で顔を合わせた2人。木下が「最終組で一緒に回りたいですね」と声をかけると、片岡は「そやな」と応じ、短い会話で士気を高め合った。
3つ年上の片岡は、香川西高の先輩だ。在学時期はかぶらなかったが、卒業後も高校の練習グラウンドに来ていた片岡と出会い、親交を深めていった。「知人のいないプロの世界で面倒を見てくれていた人。一緒に夕食を食べたり、ほんとうに優しい」と慕っている。
「最終日は一緒に回ることはできなかったけど、あしたは前半で伸ばして、『木下、やるなぁ』と思わせたい」。現在賞金ランキングは122位。この先、出場が確定している試合は2試合ある。「優勝争いができている。シードを狙えるように頑張りたい」と、先を行く先輩の背中を追いかける。(北海道北広島市/糸井順子)