「おしゃれもスイングも足元から」深堀圭一郎の深イイ話
プロゴルファーにとってはクラブ同様、シューズも大切な商売道具。かつて左足裏の故障に苦しみ、2011年には手術に踏みきった深堀圭一郎にとっては、なおさらだ。
首位に1打差の6アンダーの5位タイで滑り出した「ダンロップ・スリクソン福島オープン」で、深堀が履いたキャロウェイ製の新しいスパイクは今季開幕から既に3モデル目だという。過去には契約メーカーの承諾を得て、別ブランドのシューズでプレーしたことも1度や2度ではない。
ゴルフスパイクはスイング中の足の“暴れ”を防ぐホールド感、スムーズな動きを実現する柔軟性、最近では1ラウンドで6km以上を心地よく歩くための軽量性も重視されている。
悪天候に耐える防水性や耐久性など、求めればキリがない。軽すぎず、重すぎず。軟らかすぎず、硬すぎず。それぞれ、相反する要素を組み合わせるため、妥協点も見出しながら“ベスト”を探っていく。
深堀の場合も、市販品に近いモデルから4、5カ所の仕様変更をメーカーに願い出た。「通常の人よりも、僕は足をよく使うスイング」というから簡単ではない。「歩くときのソールの軟らかさも大事だけれど、スイングの時のねじれ、ひねりにも強くないといけない」。靴ひもの形状・素材にもこだわる。ソールでいえば通常よりも硬い作りが、今回のモデルだ。
「初日が良くても、2日目が悪いということが続いている。体の柔軟性がなくなっていて、それを補う勉強をしている」。47歳となったいまも第一線で戦うためには、ただボールを打つことに集中すればいいわけではない。「でも自分たちの年齢では仕方のないこと。先輩方もみんなそうだった」。試行錯誤はずっと終わらない。「おしゃれもスイングも、足元から気をつけないと」と笑ってつぶやいた言葉の意味は、きっと深い。(福島県西郷村/桂川洋一)