2016年 日本ツアー選手権森ビル杯

“アオキのリスト”に名前 小袋秀人は6年連続の初優勝者となるか?

2016/06/02 21:03
豪快なショットが持ち味の小袋は日本アマチュア選手権の歴代王者のひとり

夕闇迫る最終18番。15mのロングパットを沈めたバーディを知り、「あいや~!お前のためにセッティングしたみたいだなあ」と声を上げたのは青木功JGTO会長だった。茨城県の宍戸ヒルズカントリークラブで開幕した「日本ツアー選手権 森ビル杯」初日。24歳の小袋秀人が「69」(パー71)で回り、2アンダーの首位タイで滑り出した。

予選ラウンドから全選手が1番ホールからスタートする1ウェイスタイルの国内メジャー初戦。最終組の2つ前でプレーした小袋は、後半13番までに4つスコアを伸ばし、リーダーボードの上位に陣取った。第1打をOBにした14番をダブルボギー、15番をボギーとしながら、難度の高い上がり3ホールでひとつスコアを伸ばして終えた。

鹿島学園高時代、茨城県の国体に向けた強化試合などで同コースでプレーした経験があるが、ツアーのセッティングでラウンドしたのは今週が初めて。「風も朝から強く吹いていた。ボギーを打つのは覚悟の上。投げないように、折れないように。我慢、我慢」。忍耐強く18ホールを回りきり「ビックリしているけれど、自信になる」と充実感たっぷりに話した。

今大会は昨年度末のQTランキング29位での滑り込み出場だったが、関係者によると、小袋は仮に出場枠から漏れても出場できる可能性があったという。青木会長はこの主催試合を前に、将来性豊かな若手選手のリストアップをスタッフに命じていた。その中に名前があった小袋を、会長推薦する準備があった。

2012年に「日本アマチュア選手権」を制した183cmの大砲は、レギュラーツアーのシード獲得経験もないまま今年でプロ4年目。「あしたから(上位を)意識してしまうこともあると思うけれど、優勝争いなんかは考えずにやりたい。きょうと同じようなリズムでやれれば」。ツアーのフラッグシップトーナメントは、6年連続のツアー初優勝者誕生の舞台となるか。(茨城県笠間市/桂川洋一)

2016年 日本ツアー選手権森ビル杯