2016年 東建ホームメイトカップ

この男は2016年も強い!早くも1勝キム・キョンテ、被災地支援「もちろんです」

2016/04/17 18:48
日本に来て9年目。昨季の賞金王も多くの日本人と同じ気持ちだ

三重県の東建多度カントリークラブ・名古屋で行われた国内男子ツアー「東建ホームメイトカップ」。昨年度の賞金王キム・キョンテ(韓国)がさっそくシーズン1勝目を挙げた。11アンダーの単独首位から出た最終ラウンドで「69」。最終18番で3パットボギーをたたき、「65」で回った近藤共弘にプレーオフに持ち込まれながら、冷静さを失わず3ホール目で決着をつけた。

2位に4打差をつけて迎えた最終日。前半アウトで2つスコアを伸ばした時点で、多くの人がキムの勝利を確信した。それは本人も同じ。「前半を1アンダーで行ければいいとスタート前に思っていた」。プレーオフに突入したのは相手の猛チャージがあったからこそ。「近藤さんはとにかくアイアンショットがずっと良かった。近藤さんのペースだった」と、すぐに状況を受け入れた。

グリーン左奥に切られた正規の18ホール目から、プレーオフ2ホール目までのカップのポジション。「あのピンはパーを取って我慢するだけだ。3ホール目くらいで、別のところに切られるはずだ」。2009年「日本シリーズJTカップ」で丸山茂樹に敗れて以来のプレーオフ。想定どおりに事は進み、右手前に切りなおした後の3ホール目もパーをセーブして、激戦に終止符を打った。

敗れた近藤は言う。「キョンテは1Wショットの調子が悪かったみたいで、(ティショットは)ほとんど3Wだった。僕だったら調子が悪くても少しでも前に行きたいと1Wを持つんですけど…。そこを徹底してできるところの気持ちの強さがある。ブレない感じが強さなのかなと思う」。勝負強さは健在だ。

14日夜から続く熊本県を中心とした大地震。2010年、15年の国内ツアー賞金王は今年、日本に来て9年目になる。連日宿舎でテレビの映像を目にし、インターネットで情報を集めている。

「日本にいる時間が長いですから。苦しいですね…。僕だけじゃない、韓国人選手のみんな、海外の選手もみんな同じ気持ちです。九州の知り合いの方にも電話をした。みんな『大丈夫』と言うけれど(状況が)良いはずがない。頑張ってほしい」

日本ツアー機構と選手会で決めた、獲得賞金の10%を任意で被災地に寄付するプランについても「もちろんです」と即賛同した。(三重県桑名市/桂川洋一)

2016年 東建ホームメイトカップ