「ミャンマーOP」を知る男たち 歴代王者には日本人選手も
国内男子ツアーとアジアンツアーの共同主管競技「レオパレス21ミャンマーオープン」は4日(木)からミャンマーのロイヤルミンガラドンゴルフ&カントリークラブで開催。初訪問で右も左も分からない日本人選手も多い中、過去のアジアンツアーで、同国でのプレー経験を持つプレーヤーもいる。
今大会を冠スポンサーと立ち上げに力を注いだ池田勇太は、アジアンツアーが単体で開催していた13年などに出場。小林正則、市原弘大らもそのひとりだ。
「ミャンマーは3回目」というのは片岡大育。数週間前に大雨を受けたコースは、例年に比べコースコンディションが思わしくない。「芝が生えそろっていないし、ちょっと荒れていますね。芝はバミューダ系で、順目、逆目がはっきりしている。フェアウェイでも逆目だとフライヤーしそう。グリーンは硬いし…」
懸念すべき点は少なくないが「僕には“免疫”がある」と笑う。「こういうところに来ると、日本ツアーがどれだけきれいなコースでやっているか分かるでしょう?アジアではどんな状況でも試合はある。これは、これなりにやるんです」と頼もしい。
なんといっても、今週は大会の歴代チャンピオンがいる。平塚哲二は2010年4月に前身の「エアバガン ミャンマーオープン」で優勝。コースは同じヤンゴンでも別のコース(パンラインゴルフクラブ)だったが、4日間で後続に10打差をつける圧勝。ちなみに2位はプラヤド・マークセン(タイ)だった。
「ミャンマーはもう4、5回目。今週は距離もそんなにないし、楽しくできる」と平塚。前週の「SMBCシンガポールオープン」のコースに比べて、荒れた芝の状況にも「アジアンサーキットの時代、昔のアジアンツアーはこんなんばっかりだった。シンガポールからここに来たから『おおう…』と思うだけで。違う国からここに来ていれば、悪いなんて思わない。どんな状況でも、できることだけをやることが必要」
アジアの発展途上の都市らしいヤンゴン。渋滞、喧騒。街中には野犬も多い。それでも各国を渡り歩いてきた平塚にとって「ここはアジアのひとつの国、というだけ。何も他と変わらない。トラブルも、怖い思いをしたこともない。自分にとって一番つらかったのがインド。ゴルフができない。おなかを壊さない僕が食あたりするんだから」
平塚は今季、生涯獲得賞金25位以内の資格を行使してツアーに参戦。冠スポンサーのレオパレス21社には、合宿地のグアムで毎年お世話になっている縁もあり、大会にかける思いは人一倍。「ここ、ビビるところないです。ここでビビッてたらどこにも行けない」。“鉄人”はアジアでいっそうたくましく見えた。(ミャンマー・ヤンゴン/桂川洋一)