“シリーズ男”再び!宮本勝昌が鮮やかに大会3勝目
4年ぶりに「ゴルフ日本シリーズJTカップ」に戻ってきた宮本勝昌が、最終日にこの日ベストとなる6バーディ、1ボギーの「65」で3打差を逆転して1998年、01年に続く大会3勝目。今年の「ANAオープン」で4年ぶりのツアー優勝を飾った宮本は、01年以来自身13年ぶりとなる年間複数回優勝で1年を締めくくった。
前半に3バーディを奪ったが、11番のボギーで通算6アンダーに一歩後退した。「トップは-8か-9くらいだと思っていたので、ちょっと難しいかな」と振り返ったが、13番、14番で連続バーディを奪ってボードを見ると、1組後ろで回るプラヤド・マークセン(タイ)と並んで首位にいた。
「そこからもう1回ギアを変えた」と宮本。17番(パー5)ではティショットを左ラフに入れ、「つま先下がりで、木が邪魔でフックを打たないといけない」という状況で、残り245ydから3Iを振り抜くと、「出来過ぎなくらい」と自画自賛のショット。綺麗なドローを描いたボールは狙い通りにグリーンに載り、2パットのバーディとした。
最終18番(パー3)は右手前から「上って下るフックライン」という8mのパットをカップに寄せて、平均ストローク3.43というこの日の最難関ホールを2パットのパーで切り抜けた。
この日、同組で回ったホ・インヘ(韓国)のプレーを「どこに切ってあっても、ピンしか狙わない。羨ましい気持ちもある」と評したが、宮本にも自負がある。「僕はピンが端でも、グリーン真ん中を狙うタイプ。僕はこれが一番スマートで、クレバーな攻め方だと思っている」。
「上がり2ホールで、4(バーディ)と3(パー)を作ることだけを考えていた。100点満点」。追いすがるマークセンを1打差で振り切って、満面の笑みを浮かべた。
今年は4年ぶりにツアー優勝を飾り、13年ぶりに年間複数回優勝を達成したが「やっていることは一緒」と、変化のきっかけは思い浮かばない。今週の勝因も「見つからない――」。
今年で42歳となった宮本は、ただコツコツと日々の努力を続けている。この日、18番グリーン脇で出迎えてくれた芹澤信雄門下の兄弟子・藤田寛之の背中を追いかけながら。(東京都稲城市/今岡涼太)