強風に耐え谷口徹が首位に1差 “全米ショック”の面影なし
国内男子ツアー「長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップゴルフトーナメント」が開催されている北海道のザ・ノースカントリーゴルフクラブは2日目、平均風速8.1メートル/秒の風が吹き荒れた。一層の難コンディションとなったその午後に「68」をマークして通算5アンダーの4位に浮上したのは谷口徹。週末の優勝争いへ好位置を確保した。
3週前の「全米オープン」では同大会9度目の挑戦で2度目の決勝ラウンド進出を果たしながらも、3日目にワーストスコアの「88」を叩いた。強行日程を経て出場した翌週の「日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills」では予選落ち。「精根尽き果てるわ。一生で味わったことないくらい」。疲れの色は濃かった。
ところが1週間のオープンウィークが明けると、ゴルフの調子、トークの調子もケロリと回復。「今週、一発、ガツン!と狙い定めてやろうと思って。ショットはだいぶ良くなった。往年の時に近づいてきた」。「今年は(2週後の)全英に出られないから退屈や」。「昨日バーディを決めて、後ろの組の小平(智)目がけて、ガッツポーズしてやったら、(尾崎)直道さんがいて、気まずかった」「明日は(親交の深い)山下と一緒か。やってやらんと」…。
今週は谷口自身、国内ツアーにおいては珍しく、パターをスイッチした。ポアナ芝のグリーン、強い風を警戒して、重量のあるスコッティ・キャメロン製のモデルを握っている。この2日目は上がり5ホールで3バーディ。勝負強さは健在だ。
メジャーでの “屈辱”を、恥じる気持ちは無い。「1つでも頑張ろうとするとああなる。必死でやってきた」。最難関のセッティングで、懸命に一打でも縮めようとする気持ちがあるからこそ、大叩きにも繋がることを知っているから。レベルが高くなればなるほど、隣り合わせになる天国と地獄。第一線で戦い続けてきた46歳の矜持だ。(北海道千歳市/桂川洋一)