3ボギーから3バーディ 凱旋の松山英樹は終わってみれば…
北海道のザ・ノースカントリーゴルフクラブで開幕した「長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップゴルフトーナメント」初日。国内男子ツアー今季初出場の松山英樹は、3ボギーを先行させた後に3バーディを奪い、「71」でイーブンパー、39位タイで滑り出した。
米ツアー初優勝からの凱旋、そして石川遼との国内今季初の揃い踏みもあって、初日としては史上最多となる4147人が来場した第1ラウンド。大きな拍手で出迎えられた松山は、インスタートの前半12番、16番と2つのパー3でいずれもパーオンに失敗してボギー。さらに17番では、第2打を2段グリーンでピンが切られた上の段に付けられず、3パットで3つ目を叩いた。
「ドライバーは完璧」という内容は、フェアウェイキープ率71.43%が全体14位、ドライビングディスタンス323.5ヤードは2位。トータルドライビング(フェアウェイキープとディスタンスをポイント換算した数値)は堂々トップだったが、「アイアンでバーディチャンスに付けられない。入れられる距離についても入れきれない」と2打目以降に苦労した。
それでも折り返しの18番(パー5)で、2番アイアンでの2オンから最初のバーディを取り返すと、後半3番(パー5)で2つ目。そして“らしさ”が出たのが6番パー4。セミラフからの第2打で、タイミングが狂ったショット直後にアイアンを振り下ろし、苛立ちをあらわにしたが、ボールがついた先はピン手前2メートル…。笑顔無きバーディで、結局イーブンに戻した。
首を傾げ、大きくため息をつきながらも、ナイスカムバック。だがこれも、ギャラリーにとっては“お馴染み”の光景だ。昨年11月「カシオワールドオープン」以来の日本での戦いだが、そこにはちっとも変わっていない、松山英樹の姿がある。
「結果的にはイーブンで回れてよかった。アンダーパーを出したかったけれど、この内容じゃ仕方ない」。スコアメークには胸を張ったが、表情はどこか憮然としたもの。「復調の気配? あんまりないですね」と手厳しい。けれど、そんな弱気なコメントに何度も“裏切られてきた”ことを、日本のファンは十分に知っている。(北海道千歳市/桂川洋一)