倉本会長、今年の日本プロは「新世界基準でプレーさせたい」
12日、今年6月5日(木)に兵庫県にあるゴールデンバレーGCで開幕する「日本プロゴルフ選手権大会 日清カップヌードル杯」の記者発表が行われ、日本プロゴルフ協会の倉本昌弘会長は、“新世界基準”の大会を目指したいと宣言した。
本年度の開催コース、ゴールデンバレーGCのコースレートは国内最高の「77.4」。トーナメントディレクターの平野浩作氏は、「優勝スコアは、風がなくても5アンダーはいかないだろう。1日でも風が吹けばアンダーパーは出ない。過去10回の日本プロの中では一番難しいと思う」と、その攻略の難しさを強調した。
ロバート・トレント・ジョーンズJr設計による戦略性の高いコースだが、倉本会長はさらに踏み込んで、「新世界基準でプレーさせたい」と大会の構想を披露した。「一昔前までは、距離が長く、フェアウェイが狭く、グリーンが硬くて速いというセッティングだったが、今は違う。その日の状態や上位のプレーヤーの質によって、ティ位置やピンポジションを変えて、こういう選手に上位に来て欲しいというような根拠を示しながら、セッティングしていきたい」と言う。
風が強い日にはティグラウンドを前にするなどして、選手に攻めか守りの決断を迫る。そんなコースセッティングが期待できそうだ。
一方で、同コースを保有する信和ゴルフメンテナンスの國府宏匡社長は、PGAツアーの「ザ・メモリアルトーナメント」の視察を通じて、ジャック・ニクラスから大会の成功には「ギャラリーのことを考えることが大切」だと聞かされたという。
その意見を踏まえ、大会前に約2年を費やしてバックティは平均100平米という広さを確保し、ギャラリーもフラットな場所からティショットを観覧できるようにしたり、斜面に歩経路を新設して木の枝を伐採したりするなど、観戦しやすさも考慮したという。
同社は昨年4月から運営コースを通じて前売り券販売にも力を入れており、4日間通しのチケットは2万5千枚が完売間近だと胸を張った。
日本最高難度のコースで、大勢のギャラリーが詰めかける。そんな理想を追い求めた大会は、3週間後に開幕する。(兵庫県西脇市/今岡涼太)