藤田寛之、“目をつぶって”の1打で流れをつかむ
2013/12/20 22:53
「ザ・ロイヤルトロフィ」初出場となる藤田寛之は、石川遼と組んで3&2で勝利した初日フォアサムの戦いを終えてしみじみと振り返った。「いやー、疲れましたね。(今日はフォアサムで)半分しか打っていないけど、日本の王子様を傷つけるわけにはいかないのでね・・・(苦笑)」。
団体戦は日韓対抗などで慣れているとはいえ、そのプレッシャーと難しさはやはり格別だ。謙遜を続ける前賞金王の藤田だが、この日は1番ホールから日本ペアに勢いを与えるプレーで存在感を発揮した。
石川遼が左の茂みに打ち込んで迎えた同ホールの第3打。藤田の言葉を借りれば、「ボールが茎の中に浮いている感じ。距離感という発想ではなく、どのくらいの抵抗がありそうだとか、オーバーよりも手前がいいとか、よく遼と相談をして、最後は目をつぶって打ちました」というショットを1ピンにグリーンオンさせ、出だしでの先制1アップに成功した。「100回打って2度はできない」というナイスショットの後は順調に流れをつないで危なげなく16番ホールで勝負を決めた。
2回に1度しか打たないフォアサムマッチだが、「遼のセカンドの時とかでもそばにいって距離を把握して、そこは抜かないようにやっていましたね」と、ふだんのペースを崩さないための戦略もそつがなかった。まだ強気モードには入っていない。それでも「午前はショットの手応えも良かった。午後が明日からの課題ですね」と、ゆるやかな上昇気流に乗っていることは確かなようだ。(中国・広州市/今岡涼太)