初優勝への姿勢 宮里優作&山下和宏が好発進
国内男子ツアー「日本シリーズJTカップ」が5日(木)、東京都の東京よみうりカントリークラブで開幕。ツアー初勝利が待たれる宮里優作が、藤本佳則、近藤共弘とともに4アンダーの首位タイで滑り出した。
年間のトーナメント優勝者と賞金ランク上位者のみが出場するシーズン最終戦。前週までの国内賞金ランク24位の資格で2年ぶりの出場となった宮里は「出られると思ってなかったので、心の準備がまだできていなかった」と恥ずかしそうに笑いながらも、難関セッティングを攻略した。
例年よりも硬く締まったグリーンに他選手同様に手を焼きながらも、セカンドショットをウェッジで打てる10、12、14番と立て続けにピンに絡めてバーディを奪取。6番、17番と2つのパー5もそつなくスコアを伸ばして首位発進を決めた。大会前には父でコーチの優さんに電話で「全然入らないから何とかしてくれ!」と指導を請うたが、答えは「そっちには行けない」。杉澤伸章キャディとアライメントの修正ポイントをなんとか見つけ出し、開幕に間に合わせた。
今季は第3ラウンドを終えた段階で、5位以内に4度つけていたが、歓喜の瞬間はいまだ訪れていない。「僕の場合は結果が一番大事だけれど、それに固執するとプレーが硬くなってしまう。とにかく今、何をするかを明確にすることが大事」と穏やかな表情で言う。
そんな姿勢は、同じく未勝利の山下和宏も同じだ。大会には2年連続3度目の出場。今シーズンの獲得賞金額は、この最終戦を残して既にキャリアで最高の約4875万円となっている。そしてこの日、首位の3人には1打差の3アンダー4位タイと好発進。だが「周りからは言われるけれど。それ(初優勝の行方)は神のみぞ知るという感じ。やれることをやって、できれば嬉しいし。波風立てず落ち着いたゴルフをしたい。いつもやっていることを練習通りに」と浮つく様子は無い。
お祭りムードも漂うシーズンのラストゲーム。宮里は「いつもの、レギュラートーナメントと同じように」と言った。ゆっくりと作り上げてきた泰然自若の心構えは、エリートフィールドでも変わらない。(東京都稲城市/桂川洋一)