賞金王へ王手!単独首位の松山英樹「誰よりも上を目指す」
前日までの寒気も影を潜め、暖かい南国の日差しが降り注いだ「カシオワールドオープンゴルフトーナメント」3日目。通算6アンダーの首位タイからスタートした松山英樹は、半袖シャツの上にベストという軽装でティオフし、5バーディ1ボギーの「68」。通算10アンダーで2位に2打差をつけ、単独首位に浮上した。優勝すればもちろん賞金王は確定。2位の小田孔明が優勝しても、松山が2位タイ(3人まで)以上ならば、最終戦を残してツアー史上初のルーキー賞金王誕生となる。
1番で2メートル、2番(パー3)でも2メートルを沈め、連続バーディで幕を開けた賞金王への道のり。「昨日まで入らなかったパターが、1、2番で入ってくれてすごく楽になった」という。6番で3パットのボギーとし、同ホールでバーディを奪った小田に一時は2打のリードを許したが、「まだ3日目だし、その差は考えずにプレーした」と、動揺は見せなかった。
ラウンド中、ショットで手を離す場面が多かったが、それでも崩れることなくバーディを奪っていくのが松山の凄さ。9番の第2打は、PWで1メートルにぴたり。10番(パー5)はティショット、セカンドと右サイドのラフへ入れたが、3打目を1.5メートルにつけて連続バーディ。「ラッキーでした。ショットは悪いんで・・・、でもリカバリーできてよかった」と白い歯をこぼした。
この日、観戦に訪れた明徳義塾ゴルフ部前監督の高橋章夫さんは、「調子が悪いといいながらも良いスコアを出すからすごい。急に上手くなったわけではないし、まだ進化している途中なんでしょう」と、頼もしい愛弟子の活躍に目を細めていた。
「今トップにいるけど、賞金王よりは優勝したい気持ちが強い。自分が誰よりも上にいれば(賞金王は)決まることなんで、それを目指して頑張りたい」と目標設定はいたってシンプルだ。史上初の快挙に向け、いよいよ松山の視界が開けてきた。(高知県芸西村/今岡涼太)