万全には遠いのに…松山英樹12位浮上「驚いている」
これがスーパールーキーの力だ。静岡県の太平洋クラブ御殿場コースで開催中の国内男子ツアー「三井住友VISA太平洋マスターズ」。背中痛からの復帰戦を戦っている松山英樹が、予選ラウンドを終えて通算5アンダーの12位タイにつけた。
初日を1アンダー30位タイで終え「アンダーパーで回れてよかった」と満足感を示していた松山。すると翌2日目にはバーディラッシュを見せた。前半は5番でティショットを右の林に打ち込んでダブルボギーを叩き、その前までの2バーディを“帳消し”にしてしまうが「ショットが曲がる前提でゴルフをしているので、ダボも仕方ない」と淡々とプレー。続く6番(パー5)で2オンからすぐにバーディを取り返した。
そして後半インで一気に加速。14番で4メートルのバーティチャンスを活かすと、15番ではフェアウェイから残り132ヤードの第2打をピッチングウェッジでピンそば80センチにピタリ。さらに16番では161ヤードを8番アイアンで3メートルにつけ、雨に打たれながら怒涛の3連続バーディを奪ってみせた。
万全の状態からは依然として程遠く「予選を通ればいいかなと思っていた。自分でも驚いている。逆転?まだまだそういう状態ではない。ティショットが思い通りにいかないし、アイアンもとんでもないミスが出たりする。ピンを狙っていくのもどうかな、というところもある」と言う。クラブを振りきれないシーン、タイミングが合わないままインパクト後にクラブを手から放してしまうシーンも相次いだ。
だが、単独首位の小田孔明には6打差と好位置につけているのが現状だ。「明日よりスコアを伸ばして、良いところで回れたら、優勝を意識して回りたい」と今季4勝目、そして2年ぶりの大会制覇への期待をわずかでものぞかせた。(静岡県御殿場市/桂川洋一)