2013年 マイナビABCチャンピオンシップゴルフトーナメント

池田勇太 単独首位発進にも憮然「話にならない」

2013/10/31 17:57
ショットは好調を維持…しかしパッティングへの不安が池田のラウンド中の笑顔を奪っている。

今季初勝利が待たれる池田勇太が絶好のスタートを切った。兵庫県のABCゴルフ倶楽部で開幕した国内男子ツアー「マイナビABCチャンピオンシップゴルフトーナメント」第1ラウンドに1イーグル、7バーディ、1ボギーでコースレコードにあと1打と迫る「63」(パー71)をマーク。8アンダーの単独首位で滑り出した。

澄み渡った空の下、初日インスタートの池田は早々にバーディ合戦の先導役となった。

2ホール目の11番で第2打をピンそば1メートル、13番で2メートルにつけるなど好調を続けるショットでチャンスを作ると、後半1番までに5バーディを奪取。4番(パー5)では残り260ヤードの第2打をピン奥6メートルにつけてイーグルを決め、6番からはさらに2連続バーディ。リーダーボードの最上段に君臨してみせた。

ところがホールアウト直後の顔は憮然たるもの。最終9番、3パットボギーでのフィニッシュが表情を曇らせ「ああいうことをやってる時点で、話にならない」と口を開くなり、吐き捨てた。

現在の賞金ランキングは41位。「ショットだけやってたら、誰にも負けないくらいなんだけど…」とこぼすように、目下の不振要因はグリーン上にある。今週はツアーでも屈指の高速グリーンに対応するため「ただ、飛ばない(転がりをおさえた)パターを」と、新しいピン型モデルを握った。

しかし、自身の今季ベストとなるこのビッグスコアを出しても「フィーリングがどうのこうのとは言えない。たまたま。感じをつかんでいるというのではなく、合わせ、合わせでやっている」と笑顔はない。昨年、一昨年といずれも背中痛で棄権している同大会だが、グリーンとの相性の悪さも口にする。「速く見えない、傾斜もよく見えない。速いグリーンの方が好きだけれど、ABCとVISA(三井住友VISA太平洋マスターズ=太平洋御殿場)は、どういうわけか、まったく合わないんだ」

シーズン初の首位スタートにも「一歩間違えたら、73くらいだ」と、最後まで辛口の自己採点。周囲の期待が膨らむ一方で、池田本人は誰よりも冷静に戦況を見据えている。(兵庫県加東市/桂川洋一)

2013年 マイナビABCチャンピオンシップゴルフトーナメント