思わずうなる…腰痛持ち平塚哲二のプロ根性
大会初日に続き2日目も雨模様となった「ブリヂストンオープン」で、予選2日間を通算4アンダーの4位タイで終えた平塚哲二は、腰痛との戦いを続けている。「もう慣れっこですわ」と苦笑いを見せるが、今年の8月から痛みが激しくなり、ラウンドが終わると2時間にもおよぶマッサージでケアをしながらの戦いが続いている。
平塚はこの日、3番でティショットを打った際、最初のうなり声を上げた。打った瞬間クラブを手放し、悶絶する。ボールは右の深いラフへ。なんとかティグラウンドから歩き出し、コース脇で見守っていた関係者に「薬ちょうだい」と、痛み止めの常備薬を要求した。
薬を飲んだところで急激に痛みが引くわけではない。「気持ちの問題かな」と、気合いを入れるためにラウンド中に薬を飲むこともある。腰を押さえながらたどりつき、放った2打目はピンの右1メートルにぴたりと止まり、バーディをもぎ取った。
ティショットを大きく左に曲げ、グリーンを直接狙うには高い林を越えなければならなくなった7番では、残り200ヤードを5番アイアンでハイドローを放ってグリーンをとらえ、ピン左2メートルからバーディを奪った。激しい「腰痛」を隠すことはしないが、1つ1つのプレーの言い訳にもしない。きっと平塚の矜持だろう。
実は、ティショットが曲がったのは、この2ホールに限った話ではない。2日間のフェアウェイキープ率は21.43。出場102名中98位という内容ながら、通算4アンダー。好スコアの要因は平均1.38(1位)というパッティングによるものだ。
マッサージを終えた平塚がクラブハウスを出たのは、選手が誰もいなくなった夕方18時。腰を押さえながら「これからホテルで寝るまで電気を当てます」という。
大好きなお酒も飲めない?と聞くと「あ、酒は飲みますよ。少しだけ」とニヤリ。ケガや病気は、体が資本のプロスポーツ選手にとって最も辛いもの。その痛みを押して、酒を飲む、いや、好スコアをたたき出す―。これぞプロ根性だと思う。(千葉県千葉市/本橋英治)