横尾要 首位で並ぶ松山英樹に「頭の中を…」
山梨県の富士桜カントリー倶楽部で開催中の国内男子ツアー「フジサンケイクラシック」。予選ラウンドを終えて首位から3打差に20人がひしめく大混戦は、松山英樹ら4選手がトップタイに並んで決勝ラウンドを迎える。その首位グループの一角にはツアー5勝の横尾要の名前も。初日「67」、そして2日目は4バーディ、2ボギーの「69」をマークし、通算6アンダーまでスコアを伸ばしてきた。
この日のハイライトは前半イン。14番で6メートルのチャンスをものにすると、15番で1メートル、16番では10メートルを沈めて3連続バーディ。しかし後半に1つスコアを落とす結果となり「後半ボロボロ。ひどい。内容が。いつでも墜落する態勢は出来ている。失速準備OK。とりあえず予選を通ってよかった」と嘆き節が止まらなかった。
リーダーボードに目をやると、「ほっといても優勝でしょ」とポツリ。その言葉が指す選手は、もちろん賞金レースを独走する松山英樹のこと。3日目は同組とはならなかったが「一緒に回って、ひどい姿を見せたくないよ」と弱音を吐いた。「『調子が良くない、良くない』って言って、毎回優勝してるんだから。良くなったらどうなるの?どうしたら納得するの?」。呆れたように、スーパールーキーを讃える。「頭の中を、のぞいてみたいね」。
しかしながら、前向きな発言を求める誘いを、スルリ、スルリと避け続けるのも謙虚な“カナメ節”。丸山大輔らに誘われ、近年はトレーニングにも精を出すようになった。メジャーリーガーのダルビッシュ有らも通い詰めるジムに足を運ぶ。それでも「巨人の澤村や、阿部ちゃんとかも来るしね。野球選手が好きだから、ただ会いに行く口実だよ」と笑うだけ。
「良くて、2位狙いだね」。その言葉は、本音か、自分への戒めか、それとも死んだフリか。週末の戦いぶりで、真意がわかるかも?(山梨県富士河口湖町/桂川洋一)