野仲茂「ジャストタッチ」で高麗グリーン攻略
福岡県の芥屋ゴルフ倶楽部で開催中の国内男子ツアー「VanaH杯KBCオーガスタゴルフトーナメント」は、連日の悪天候により3日連続のサスペンデッドとなった。54ホールでの短縮競技で争われる一戦で、ツアー2勝目を狙う野仲茂は36ホールを消化し、通算6アンダーの7位タイにつけている。
2日目の第2ラウンド前半プレー中にサスペンデッドとなっていた野仲は、この日残りの12ホールをプレーして3バーディを奪取。第2ラウンドを「67」でまとめ、上位進出に成功した。今シーズンは国内開幕戦の「東建ホームメイトカップ」で、シャンクからOBとしたショットを長く引きずっていた。そこで夏場の6週間のオフの間に、アイアンをマッスルバックタイプからキャビティタイプにチェンジ。賞金ランキング97位からの後半戦での巻き返しに、手応えを感じている矢先の好ラウンドだ。
ところで、所属の横浜CCは西コースがベント芝と高麗芝の2グリーンとなっており、ツアーでは唯一の高麗グリーンとなる今週の戦いに一躍買っている。
「お客さんがラウンドし終わった後に練習している」。高麗芝特有の強い芝目の攻略について語るのは「強くヒットしろ、とよく言われるけれど、打ち方は変わらない。インパクトが強いと、逆にイレギュラーしてしまったり、カップに蹴られたりすることが多い」ということ。ポイントは「ラインを深めに読んで、ジャストタッチ」。この第2ラウンドは26パットで切り抜けた。
初優勝は2010年の「関西オープン」だ。8月は「嫌いですよ。暑いの。顔の汗をタオルで拭きながらやってます。うっとしい」と笑う。しかし「結果的には夏場の方がいいですね」と3年ぶりの勝利へ望みも口にした。「出来ることなら追う方で臨みたい。負けて当然、勝って偶然、そんな感じでやれる」。
この日の午後スタートの選手たちがスコアを伸ばし、望み通り首位からは3打差からのスタート。背後から虎視眈々とチャンスをうかがう。(福岡県糸島市/桂川洋一)