藤田寛之は1打差 「白旗を挙げている場合じゃない」
国内男子ツアー「日本ゴルフツアー選手権Shishido Hills」の3日目。通算8アンダーの4位タイからスタートした藤田寛之が、スコアを3つ伸ばして首位と1打差の通算11アンダー2位タイに浮上した。
2番パー5でバーディを奪うと、3番パー3は13メートルのバーディパットを決めた。その後、雨が降る中でのプレーが続き、6番パー5では4打目でグリーン左サイドのカラーへ運ぶピンチ。「アプローチしようと思ったら、ボールに泥がついていたので、低くボールを出せるように9番アイアンを使いました」。藤田の判断がぴたりとはまり、ピンまで8ヤードを直接入れてのナイスパーセーブだった。
9番ホールで中断に巻き込まれたが、再開後の10番パー5でバーディ。さらに13番パー3、15番パー5で5メートル程度のバーディパットを決めてついに首位タイに浮上した。ところが、17番でティショットを左サイドのラフに入れ、2打目は池を避けてレイアップ。3打目でピンの手前6メートルに乗せたが、パーパットは惜しくもカップの左をすり抜けボギー。
さらに最終18番はティショットを左サイドのラフに入れると、2打目でグリーン手前の花道に運んだ。しかし、アプローチをピンの右1.2メートルに寄せたが、パーパットが決まらず連続ボギーで2位タイに後退してしまった。
「上がりの2連続ボギー、最後に悪い流れになってしまったのを、明日に引きずるとか言われますよね。でも、そんなの気にしてもしょうがないし、明日の朝になったら忘れていますよ(笑)」。むしろ、藤田にはそれまで良いゴルフができていたことの方が印象的だ。
調子は相変わらず良いとは言えない状況。「実はキャディの梅ちゃんに頼んで、自分のスイングの状況を芹澤さんに相談してもらったんです。初日、昨日と、芹澤さんも見ていないからわからないって言っていたのですが、昨日はアドバイスをいただいて、テークバックの時からフェース面を少し閉じた形にしてみました」。師匠から伝言での指導を受けてショットに関しては少し自信を取り戻した。
首位と1打差という状況に「メジャーだし、タイトルは取りたいですよ。1打差の好位置なのに、調子が悪いからなんて白旗を挙げている場合じゃないですよね。チャンスはものにしたいと思っていますよ」と、ネガティブコメントをこの日は封印。今季初勝利のチャンスを掴むことはできるか。(茨城県笠間市/本橋英治)