2012年 ゴルフ日本シリーズJTカップ

藤田寛之を追う谷口徹 舌鋒鋭く逆転賞金王へ

2012/11/28 18:14
開幕前日に優勝トロフィを手にフォトセッションに参加した藤田寛之と谷口徹。

2012年の国内男子ツアー最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」は29日(木)、東京都の東京よみうりカントリークラブで開幕する。前週までの24試合を終え、賞金ランキングトップを走るのが藤田寛之。今季獲得賞金額、約1億3515万円を積み上げ、今大会で単独16位以内(出場全26選手)の成績を残せば、初の賞金王戴冠が決まる。

その藤田のタイトル獲得を阻むチャンスを持つ、唯一の選手が谷口徹だ。優勝賞金4000万円の一戦を前に、その差は約3781万円。逆転のためには優勝が必須の44歳は、わずかな可能性にすべてをかける。

開幕前日のプロアマ戦を終えた谷口は「(目指すは)優勝のみ」と言い切った。2位、3位、そんな“好成績”には興味は無い。「2位なら他の選手に、お金の無い選手に(賞金を)あげます。2位だったら、最後(18番ホールで)20パットしたるわ。年末、困ってるプロのために」というのはさすがに冗談だが、ターゲットは「日本プロゴルフ選手権大会 日清カップヌードル杯」、「ブリヂストンオープン」に続く今季3勝目だけだ。

東京よみうりで、藤田とは“因縁”がある。「記憶力がないから。負けたことなんかすぐ忘れている」と話したが、一昨年は逃げ切られ、昨年は最終ホールで1メートルのパットを外してプレーオフに突入。2ホール目で敗れ、2連覇を許した。ライバルへの“リベンジ”は、自身3度目の賞金王戴冠へ通じる道となる。

「谷口さんだけがライバルじゃない。自分自身、しっかりしたゴルフをしたい。頂点を目指して頑張りたい」と大会史上初の3連覇へ冷静な藤田。一方で前日会見を「藤田くんだけじゃない。25人に勝たないといけないから、今日は(他の全選手と)食事でも、ミーティングでもするかな。藤田くんは呼ばないけど」と終始、爆笑の渦に変えた谷口。明日からその眼光は、一気に鋭くなる。(東京都稲城市/桂川洋一)

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