久々に…松村道央が優勝争いに参戦
福岡県の芥屋ゴルフ倶楽部で開催中の国内男子ツアー「VanaH杯KBCオーガスタゴルフトーナメント」2日目。オーストラリアのカート・バーンズが通算13アンダーで単独首位に立つ中、3打差の通算10アンダー5位タイに松村道央がつけた。
悪天候の日没サスペンデッドとなった初日、松村は午後からのスタートで16番ホールプレー中に順延を余儀なくされた。迎えたこの翌2日目、午前6時30分の再開は3メートルの“いやらしい”パーパットから。しかしこのスライスラインを沈めて出だしの難所を乗り越えると、18番(パー5)ではチップインバーディを奪取。直後に開始した第2ラウンドでは、パー5で3つのバーディを含む「68」と安定したラウンドを披露した。
2010年に2勝をマークし、賞金ランキング5位に食い込みブレーク。昨年は優勝こそならなかったが、5度のトップ10入りなどでランキングは17位とまずまずの戦績を残していた。ところが今季は、この大会が4月の「中日クラウンズ」以来、実に9試合ぶり3度目の予選通過だ。
もともと春先よりもシーズン中盤戦から調子を上げていくタイプ。練習もトレーニングも順調に進めていたため、焦りはなかったという。ところが今季は「途中に気持ちが切れてしまうというか…」と、なかなかエンジンがかからないまま。8戦連続予選落ちを受け「さすがに、そろそろ通らないと…」と、お尻に火がつき始めた矢先、“師匠”の谷口徹からは今週、クラブハウスの風呂場で「巨人のV9(9連覇)を更新するんとちゃうか?」と辛口のゲキを浴びた。
昨年12月に入籍し、今年のシーズンオフには挙式する予定。しかし新婚生活1年目の今シーズンは、望まない形で週末の休みが増えた。それでも香織夫人は自宅で終日、海外ツアーや女子ツアーの中継放送をテレビで流すなど、やんわりと旦那の心をくすぐりながら、健気に復調の時を待っていた。
とはいえ、ゴルフの調子が良いときは落ち着いた口ぶりながら、威勢の良い言葉が飛び出すのも松村だ。いまはまだ「闘争心がなかなか出てこない」と言うが、九州の強い日差しは、そのハートに一気に火をつけてくれるだろうか。(福岡県糸島市/桂川洋一)