1打差2位…敗れた深堀圭一郎は「きっかけをつかめた」
栃木県の烏山城カントリークラブで開催された国内男子メジャー第2戦「日本プロゴルフ選手権大会 日清カップヌードル杯」最終日。2年ぶりの大会制覇を達成した谷口徹を、深堀圭一郎が最後まで追い詰めた。
トップに4打差、2アンダーの4位タイから出た深堀は序盤に一度優勝争いから脱落していた。出だしの1番(パー5)で5メートルを沈めてバーディ発進としたものの、続く2番(パー3)から、短いパットを外し続け、痛恨の3連続ボギーで後退した。
それでも6番からの2連続バーディで盛り返すと、折り返した直後の10番で第2打をピンそば2メートルにつけて4つ目のバーディ。12番を再びボギーとしたが、その後はポイントに挙げていた中盤を耐えしのぐ。そして17番(パー5)。第2打を左ラフに曲げながらも、左手前から12メートルのスライスラインを見事に読みきってバーディ。谷口に1打差に迫り、渾身のガッツポーズを披露した。
通算3アンダーでホールアウトすると、スコアを提出するアテスト小屋で、ひとつ後ろの最終組、そしてプレーオフを待った。しかし谷口が2パットパーで締めくくり決着。1打差の単独2位に終わり、2005年の「ANAオープン」以来となる復活優勝はならなかった。
それでも左足裏の手術を経て、新たな気持ちで臨んだ2012年。開幕3戦は予選落ちしていたが、メジャーの舞台で輝きを取り戻した。「正直勝ちたかったけれど、優勝争いをするのもいつ以来ですかね…。4日間やるのも今年初めて。緊張感の中で回り続けるのはきつかったけれど、足も問題なかった」と、悔しさの中にも充実感をにじませた。
選ばれたツアープレーヤーが、シード確保のため、一度だけ行使できる「生涯獲得賞金25位以内」の権利を使ってフル参戦する今シーズン。「最後の切り札」というカード投入の決断には「まだここで戦う姿を娘にも見せないといけない」という思いもあった。「悔しいけれど、やっと自分も表舞台に戻るきっかけをつかめた。これからまだ試合はある。ゴルフ人生は続いていく。優勝したい」。
敗れはしたが、単独2位の賞金1500万円獲得は、来シーズンに向けても明るい光を照らす。「ここでできたのが嬉しいですね。手術したときは、ここに戻ってくるかわかんなかったんでね…」。そう続けると、思わず言葉を詰まらせた。(栃木県那須烏山市/桂川洋一)