【GDO EYE】復活なるか!? 田中、9年ぶりの首位!
「カシオワールドオープンゴルフトーナメント」初日に単独首位に立った田中秀道。共同記者会見での第一声は、「久々過ぎて、段取りが分からない・・・」。無理もないだろう。02年から5年間は米ツアーを転戦し、日本ツアーに復帰した08年は、開幕戦で腰痛を発症。以降は苦戦が続き、上位にもほとんど顔を出さない不遇の時が続いた。日本ツアーで単独首位に立つのは、実に01年の「ミズノオープン」最終日以来9年ぶりとなる。
今シーズンも、予選通過もままならない戦いが続き、賞金ランクは低迷。来季の賞金シード獲得は、週を追うごとに可能性が薄れていった。さらに田中は、先週、今週の試合と出場資格を持っておらず、2週間前の「三井住友VISA太平洋マスターズ」で田中のシーズンが終わっていた可能性もあった。いずれも急遽、主催者からの推薦を受けての出場。現在、賞金ランクは102位。シード獲得となる70位以上を目指し、最後の最後に巡ってきたチャンスを活かせるか。
「ショットの精度は上がっている」と復調の兆しは見えてはいるものの、「パットがすべてを崩していた」と、これまでの低迷の要因を明かす。もともとは「感覚でパチンと打ちたい」と感性を優先するタイプだったが、「感性で勝負は無理だと感じた」と方向転換。「打つ前に素振りをして、そのままの感じでパットを打つ。初心者のような感じでやっている」。パターも大きなヘッドを選ぶことでも、自らの感性を封印。これらの試みが奏功し、ビッグスコアに繋がったのだ。
「(主催者に)チャンスをいただいていることを忘れずにプレーしたい」と話す一方で、「根底には、来年プレーしたい、(シード権に)残りたい、という想いはある」と正直な心情も口にする。さまざまな想いを胸に秘め、トップの立場で2日目を迎える田中。当時の活躍を知る多くのゴルフファンたちも、田中の復活を期待していることだろう。(編集部:塚田達也)