矢野東、チップインイーグルで勢いに乗ったが・・・
国内男子ツアー「マイナビABCチャンピオンシップゴルフトーナメント」の最終日を通算10アンダーの首位タイで迎えた矢野東。今大会の初日から、いままでフェードボールにこだわっていたが、それを止め、バリエーション豊かなボールコントロールで攻めのゴルフに転じ好スコアを出してきた。
そして最終日もショットの調子は完璧で、序盤から同組でラウンドする金庚泰(韓国)を圧倒した。1番で金がバーディを奪い11アンダーとしたが、矢野は3番でバーディを奪い返し11アンダーに並んだ。
そして576ヤードの4番パー5では、2打目でグリーンの手前52ヤードのフェアウェイに運ぶと、58度のウェッジを手にした3打目はピンの手前でワンバウンドすると、そのまま転がりカップに吸い込まれた。
その瞬間、矢野は両手を高々と挙げ、ギャラリーに向かって「どうだ!」とばかりに派手なポーズを見せた。グリーンからフェアウェイまで取り囲んだギャラリーから悲鳴にも似た歓声が上がると、前の組でプレーしていた石川遼の耳にもその大歓声が届いた。
このイーグルで通算13アンダーまで伸ばした矢野は、2位の金に2打差をつけて試合をリード。しかし、勢いはここまでだった。6番パー5で3オン3パットのボギーを叩くと、362ヤードの7番パー4では、ティショットをグリーンの右横に運んだが、ボールはバンカーの手前で芝のないベアグラウンド。バンカーショットのようなエクスプロージョンで脱出を図ったが、うまくヒットできずバンカーに入れてしまった。
2連続ボギーでイーグル分のアンダーを帳消しにしてしまった矢野は、10番でもボギーを叩き、逆に金に2打のリードを許してしまった。15番パー5で3打目のアプローチをピンの手前30センチに運びバーディを奪ったが、16番、そして最終18番をボギーにして、通算9アンダーの8位タイでホールアウト。
「ショットは完璧なんだけどね。パターが全然だめ。イーグルが来て、このスコアなら誰も追いつけないと思ったんだけど、その後がダメだよね。グリーンに乗っても入る気がしなかったし」と、4番のイーグルで安心してしまったのか、その後はスコアを崩す結果になってしまった。