谷口徹は自画自賛「勝因は自分の実力(笑)」
「もうちょっと平塚は優しい奴と思っていたけど、先輩いじめの悪い奴ですね」。今季国内男子メジャー初戦「日本プロゴルフ選手権 日清カップヌードル杯」最終日を終え、平塚哲二を1打差で振り切って、自身3度目のメジャータイトルを獲得した谷口徹は、いたずらっぽく笑う。
この日の最終日、谷口が1打リードで迎えた最終18番。4mのバーディチャンスにつけた平塚に対し、谷口は若干遠い5m。「なんかあっちの方が入りそうやし、こっちは段を上る時どの位切れるか分からんなって・・・」。谷口のバーディパットがカップをかすめ、平塚が放ったパットも、僅かにカップを外れて止まった。
「運がほんのちょっと僕にあったかな」という谷口。1番のティショットを右に曲げたが、目の前にある木の2~3mの隙間を抜いてグリーンを狙うと、奥の崖下のラフへとこぼれる。グリーン面までは数メートルの打ち上げ。「(ピンは)見えたような、見えなかったような・・・」。土手にワンクッションさせようと思ったという谷口だが、狙いよりも高く出て、強い勢いでグリーン面へ飛び出した。「ガッシャン!」これがピンを直撃して、20cmに止まる。打つ前は「ボギーもピンチだと思った」という谷口だが、結果的にお先にパー。「あんなラッキーはスタートから無いよな」と、振り返った。
このオフは、松村道央、岩田寛、武藤俊憲、山下和宏、上田諭尉ら若手達と合宿を敢行。「練習から試合並みにゴルフしないと意味無いんで、こてんぱんにやっつけておきました」と、若手にゴルフの厳しさを教えつつ、逆に負けられないという刺激も受けた。
「今まで何回かチャンスはあったけど、中々勝てなくて・・・」と、優勝インタビューに答える谷口。「今日はチャンスを逃さないぞと。年齢もあるし、次があると思ったら大間違いだと思い、絶対持って帰ろうと朝から言い聞かせてやりました」。ベテランの存在感を見せ付ける、自身通算16勝目だった。