【GDO EYE】藤田と片山、玄人同士が渋く上位へ
2010/05/14 18:52
藤田寛之は、片山晋呉のことをこう評する。「理屈が氾濫している中、理屈じゃない本物を知っている一人」。今季国内男子メジャー初戦「日本プロゴルフ選手権 日清カップヌードル杯」の予選ラウンド2日間を同組で回った藤田と片山は、それぞれ3アンダーと4アンダー。相乗効果で上位へと顔を覗かせた。
「晋呉は良く見るんでね。スイングを見たり、バンカーショットを見たり。(一緒に回っていて)リズムなんかも良いのかも知れない」と藤田は言う。師匠の芹澤信雄以外にはアドバイスを求めないという藤田だが、「晋呉は尊敬できるところがあって、感じ取れる部分もある」と、見ただけでもその取り組みや方向性が理解できるという。
時折、片山に対して質問することもあるという藤田。「本物を知りたくて質問するんだけど…」というこの日は、夏のオープンウィークの過ごし方を聞いたという。「面白いですね。プライベートなんで僕からは言えないですけど、“えーっ”みたいな。奇想天外というか、宇宙人ですね」。ゴルフを違う角度で見ているという片山の考えが、大いに藤田を刺激したようだ。
一方の片山も、この日のラウンド終了後に藤田に聞いたことがあるという。「内容はすべてっていうか、まぁ色々と…」。言葉で説明するのは難しいというが、藤田によると「たいした事じゃないけど、そこが大事なんでしょうね。他の人と違う角度でゴルフを考えている人なので」ということになる。素人が聞くと雲をつかむような話だが、すべて言葉で説明してくれる石川遼とは対照的に、そんな深い部分での戦いをしている選手がいることもまた事実だ。(編集部:今岡涼太)