人生初の空振り2回 中島啓太のその後を追った
◇国内メジャー◇日本オープンゴルフ選手権競技 2日目(11日)◇東京ゴルフ倶楽部(埼玉)◇7251yd(パー70)◇晴れ(観衆2942人)
首位で第2ラウンドを終えると、少しの休憩を挟んで中島啓太が向かったのはアプローチ練習場。深いラフから色々な打ち方を試しては、納得いかない表情で打ち直す。「きのうの空振りが、かなりよぎってしまって」と、5番(パー5)のアプローチミスでたたいたボギーが少し悔しい。
7位から出た2日目を4バーディ1ボギー「67」で回って、池村寛世と並ぶ通算4アンダー。優勝へ絶好の位置で大会を折り返したが、「うーん…」と心残りはある。
後半5番(パー5)でフェアウェイからの第2打を「一番寄らない所に」というラフに外し、3打目のアプローチで頭をよぎったのが初日の“トラブル”。7番でボールが浮いた状態のラフから、2度空振りして6オン1パットの「+3」をたたいた。似たようなライからのアプローチに「きのうの空振りがよぎって、消極的な攻めになってしまった」。乗らず、寄らずのボギーを喫した。
プレーを終えて、スコアカードの提出に向かう間に首をひねって素振りをチェック。同組の石川遼にも少しだけクラブの入れ方を聞いてみた。「ボールの手前に最下点を置いて、そこからすくうように…」とラウンド後にしっかり復習しては、うまくいかない一打にため息を吐いた。
アプローチからショット、パットと練習すること1時間。唯一のボギーは悔しいけれど、「体が万全で、ゴルフができることが一番幸せ」と修正に取り組めることがうれしい。8月「パリ五輪」で腰の痛みが出て、以降は2試合しか出られず今週を迎えていた。
まだ腰の痛みに不安は残るが、ケアを重ねながら戦える体を保てている。「せっかく日本でゴルフができる。楽しみながら、勝ちたい」。悔しさを晴らすには、まず練習あるのみだ。(埼玉県狭山市/谷口愛純)