2024年 KBCオーガスタ

片岡大育は5年9カ月ぶりトップ10 「やっと戦える雰囲気に」

2024/08/26 09:45
2018年以来のトップ10。片岡大育は完全復活へ期待を寄せた

◇国内男子◇Sansan KBCオーガスタ 最終日(25日)◇芥屋GC(福岡)◇7274yd(パー72)◇曇り(観衆9686人)

7位から出た最終日を5バーディ、2ボギーの「69」で回り、通算13アンダー10位で4日間を終えた片岡大育は笑顔でクラブハウスに戻ってきた。

2017年「ダイヤモンドカップ」のツアー3勝目を最後に優勝から遠のいている。トップ10に入ったのも2位で終えた18年11月「HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP」以来、約5年9カ月ぶり。19年にシードを喪失し、20年末に発症した顔面神経麻痺による影響を必死に受け入れながら、35歳は「やっと、ちょっと戦える雰囲気が出てきた。それが何よりもうれしい」と声を弾ませた。

持ち味であるショットの精度に好感触

前週のオープンウィークからショットの調子は上がっていたという。「結構いい感触で試合を迎えられて、結果も後押ししてくれる感じで継続できたのは本当にちょっとスッキリした」。沈んでいたここ数年を思い返せば、「イップスって言ってもおかしくない」状態から抜け出す兆しが見えた喜びは大きい。4日間のフェアウェイキープ率は60.7%(34/56)で全体8位、パーオン率も75%(同12位)と安定した精度に胸を張った。

次戦は29日(木)開幕の「フジサンケイクラシック」(山梨・富士桜CC)。シードを持たない片岡は、大会後に行われるリランキング(成績に応じて出場優先順を入れ替える制度)の対象となる。今週で暫定ランクを41位から17位に上げたが、後半戦のフル出場に向けてさらなる浮上が求められる立場。昨年実績では11月以降、出場権が下りてきたのは「マイナビABC」がランク10位、「三井住友VISA太平洋マスターズ」4位、「ダンロップフェニックス」9位まで(いずれも開催週の月曜日時点)。シーズン終盤の試合に出るためには踏ん張りどころとなる。

今週は63歳の父親とタッグを組んだ

「ここまでが本当にしんどかった。いまは“狙い打ち”もできてきている。(フジサンケイは)モンスターコースですけど頑張りたい。これからにちょっと期待したい」。そう話す表情に、少しの陰りもなかった。 (福岡県糸島市/石井操)

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