JGTO新会長に諸星裕氏「覚悟はしていたが、さすがにビックリ」
国内男子ツアーを統括する日本ゴルフツアー機構(JGTO)は19日(火)、都内で定時社員総会を開き、ミネソタ州立大特別功労教授の諸星裕(もろほし・ゆたか)氏を新会長に選出した。1999年のJGTO発足から14年間、主に国際関係担当の理事として携わり、2013年以来のJGTO復帰となる。
2016年から4期8年を務めて退任した青木功・前会長の後任となる。今季国内男子ツアーは28日開幕の「東建ホームメイトカップ」(三重・東建多度CC名古屋)を皮切りに24試合を予定しており、前年から2試合減で、2007、09、14、18年と並ぶ最少。
77歳の諸星新会長は「世界と手をつなぐ、共同開催のような形でいろんなことが一緒にできれば。韓国、中国、シンガポール、オーストラリア、インドまで、そのあたりのゴルフ界のリーダーと話をしていきたい」と、自らの強みを生かしたフィールドの開拓に意欲を見せた。
就任の経緯について、ジャパンゴルフツアー選手会(JGTPC)アドバイザーとJGTO副会長を務めることになった倉本昌弘氏は「数週間前から、ある方にずっとお願いしていたが、折り合いがつかず、間に合わなかった。昨日(18日)の遅くまで選手から全権を委任されて交渉していたが、残念ながら断念した」と明かした。
諸星氏に対しては3週ほど前から「(意中の人物と)決裂した場合には受けていただきますか、と。失礼なお願いをしていた」という。
“ピンチヒッター”としての登板が正式に決まったのは総会の直前。理事としての復帰は決めていた諸星氏も「ある程度、覚悟はしていましたが、さすがにビックリしたことは確か」と話す。
その上で「得意分野は“外”ですので。大きくするためには、世界を考えなくちゃいけない。いろんな人が集まるオーガスタで、まずジェイ・モナハンと話をして、いろんなことをやり直していきたい」。3週後に迫った「マスターズ」会場で、PGAツアーを含めた各ツアー団体のトップと接触を図る意向を示した。
倉本氏は「試合を増やすのは急務だと思うが、いま試合を続けてくださっている方々のケア、ここ数年で試合をやめられた方々の状況把握もしていかないと」とも強調。「大方のスポーツ団体の在り方として、本来は(会長ではなく)専務理事が切り盛りしていかないといけない。この数年、常勤の事務局長がいないことが一番の問題だと感じている」と指摘し、この日までに決まらなかった専務理事の人選を含めた構造的な問題解決にも着手していく。
<2024年度JGTO新体制>※敬称略
会長:諸星裕
副会長:新井直之、井上尚彦、倉本昌弘、谷原秀人
理事:阿久津未来也、安中新祐、五十嵐朋広、石川遼、井上幸彦、大多亮、川合敏久、國府宏匡、田蔵奈緒、林祐樹、堀川未来夢
監事:平沼伸平、松坂章良