歴代最多シーズン8回目の最終日最終組 中島啓太“くん”が後輩アマを追う
◇国内男子◇ダンロップフェニックストーナメント 3日目(18日)◇フェニックスCC(宮崎)◇7042yd(パー71)◇晴れ(観衆4707人)
カップの縁を1回転して消えたボールに息をついた。ティショットをフェアウェイに刻んだ後半13番、中島啓太は2m強のバーディパットを沈めてスタート時のスコアに戻した。16番も3m以内のチャンスを生かして3バーディ、2ボギーの「70」。2日ぶりのアンダーパーで“定位置”を確保したことに満足できた。
通算7アンダーは3位で迎える、あすの最終日最終組でのプレーは今季8回目。1999年の日本ゴルフツアー機構(JGTO)創設後、シーズン最多記録になった。2週前の「マイナビABCチャンピオンシップ」までの7回で計3勝。首位とは5打離れていても、「優勝を一番、意識しながらプレーできる」と、最高の成長機会と位置付けるポジションに入れた。
観測された風速11mよりも強い突風も吹き荒れたムービングデーは中盤、イライラが募った。残り85ydの2打目をグリーン右に外した8番、1Wショットを右の林に入れた9番で2連続ボギー。「きょう一番ストレスを感じた」と明かす。
アマチュアの杉浦悠太(日大4年)はその頃、13アンダーでトップを快走中。「連続ボギーでちょっと気持ちも切れそうだったんですけど、10番も難しい。しっかり切り替えて回ろう」と後続組を回るリーダーに負けじともう一度、気持ちを入れて後半の挽回に繋げた。
1つ年下の杉浦はナショナルチーム時代の“エース”の座を託したといえる存在。安定感の高さを何年も見てきた。ちなみに、「年下の選手にはみんな、『(啓太)さん』と呼ばれるんですけど、彼だけは『くん』って呼んでくれる」とか。「近い感じがして楽しい」と笑う。
かわいい後輩を同じ最終組で追う。冷静に、そして懸命に。「一緒にプレーするのは久しぶり。(杉浦は)今週すごく調子がいいと思うので楽しみです。勝つつもりで頑張ります」。ツアーを引っ張る23歳が“若手”の壁になる。(宮崎市/桂川洋一)