オーストラリアでの失望から アマ杉浦悠太の奮起と“特別承認”
◇国内男子◇ダンロップフェニックストーナメント 初日(16日)◇フェニックスCC(宮崎)◇7042yd(パー71)◇晴れ(観衆2511人)
まだ初日とはいえ、見上げたリーダーボード上で紛れもないビッグネームと競っていた。「やっぱりマスターズで優勝されていますし、PGAツアーでも活躍されている」。胸にあるいつかは一緒に回ってみたい…という願い。そのチャンスが確かにある。アマチュアの杉浦悠太(日大4年)は8バーディ、1ボギーの「64」をマークし、単独首位の松山英樹に1打差の7アンダー2位で滑り出した。
アマ最終年のことし、22歳は9月の下部ABEMAツアー「ダンロップフェニックストーナメントチャレンジ」で優勝して本大会の出場権を獲得。日本ゴルフ協会(JGA)のナショナルチームを引っ張る存在として飛躍したが、現役のPGAツアー選手がプレーする大会の雰囲気が、普段と一味違うと肌で感じている。
遠目に見る、松山からあふれ出るオーラ。「威圧感と言ったらあれですけど、もう『その人は、そこにいるよ』という感じがするというか。周りの選手も(松山のことを)見ちゃう。やっぱり注目されていると周りから見ても感じます」。決勝ラウンドで同組に入れば、世界トップクラスのプレーを間近で見られるかと思うと、気合も入る。
3週前、オーストラリアでの「アジアアマチュア選手権」で予選落ちし、来年4月の「マスターズ」出場の夢が2日で断たれた。失意の週末、決勝ラウンドの最中も会場内で練習。「最後の試合で残念過ぎたんですけど、後輩の姿を見てもっと頑張らないとなあと」。落ち込む気持ちにムチを打ち、次の試合に意識を向けた。
捨てる神あれば拾う神あり。負け試合への未練を断った頃、吉報が舞い込んだ。杉浦はアジアアマ出場のため、来季の日本ツアー出場権を懸けた同週の2次予選会(セカンドQT)の会場を変更。今週、熊本会場でプレーする予定だったが、これまでの活躍を受けて、日本ゴルフツアー機構(JGTO)の出場資格規定にある「13.JGTOが承認した者」の条項により、3次からの受験が可能になった。
「本当に良かったです。この試合、せっかく(下部ツアーで)優勝して権利を頂いたのに出られないのはもったいないなあと思って。本当はもう、あきらめていました。JGAさん、JGTOさんにチャンスをいただいてありがたいです」。ダンロップフェニックスでの過去のアマチュアの最高成績は2012年、松山の2位。期待に報いる4日間にする。(宮崎市/桂川洋一)