「ゴルフ人生で一番大きな4日間」で得たもの 幡地隆寛がフラットに“首位”守る
◇国内男子◇三井住友VISA太平洋マスターズ 2日目(10日)◇太平洋クラブ御殿場コース(静岡)◇7262yd(パー70)
国内最高峰のタイトル争いは、「ゴルフ人生で一番大きな4日間だった」と今でも思える。10月の「日本オープン」最終日、幡地隆寛は石川遼と最終日同組でプレーし、3位で終えた。悲願のツアー初優勝を逃した悔しさを抱えつつ、最後まで逆転のチャンスをうかがった胆力がついたと胸を張れる。
身長188㎝の大砲の武器はもちろんそのパワー。その反面、肝心なところでミスが続く悪癖と長らく戦ってきた。視線を浴びながら激闘を演じ、「良い結果でも、悪い結果でも、一喜一憂しないことを貫く。4日目の最後に向けて戦えるメンタルで、先を見据えたゴルフができるようになってきたのかな…」と実感しているところだ。
フラットな心持ちは2021年に4位に入り、相性の良さを感じている大会でもキープしている。3人が並んだ4アンダー首位から出たこの日は前半アウトで6つスコアを伸ばした。9Iでピンそば4mにつけた6番から4連続バーディ。チャージをかけたその直後、急激に気温が下がると、ショットにミスが出た。
難関11番、1打目が右に曲がって林の中へ。続く一打は斜め後方に出すしかなく、向かい風を受けた3打目で250yd以上残した。「もう、ダボ(ダブルボギー)でいい」。それまでの勢いを止めかねないシーンにも「ミスを悔やんでもしょうがない。まだ第2ラウンド。後のことを考えれば、このダボはいつでも取り返せる」と後退をすぐに受け入れた。
濃霧による視界不良での中断前、15番でボギーを追加しても通算7アンダー。今平周吾、吉田泰基とともに暫定首位にいる。「この中断はある意味でラッキー。(後半は)あまり良い流れではなかった」。あすは第3ラウンドと合わせて20ホールを回る見通し。午前7時15分と早いリスタートにもハートは揺るがない。(静岡県御殿場市/桂川洋一)