「欧州ツアーはエンジョイできなかった」 日本専念のショーン・ノリスが「61」
◇国内男子◇マイナビABCチャンピオンシップ 2日目(3日)◇ABCGC(兵庫)◇7217yd(パー72)◇晴れ(観衆1581人)
身長188cm、体重100kgの巨漢で、ショーン・ノリス(南アフリカ)が豪快に笑った。「今日のスコアには誰も文句を言えないだろう?」。2イーグル、7バーディの「61」は、2006年大会で片山晋呉、14年大会で小田龍一がいずれも最終日にマークした大会コースレコードを1打更新する新記録。「ショットもパットも全部良かった。ABCGCのグリーンは本当に質がいいからね」とご満悦だ。
初日のパープレー「72」には理由がある。3週前の「日本オープン」後に母国へ戻り、2週間のオープンウィークを過ごした。妻子に会ってパワーをもらい、調整もできた。10月29日にはラグビーW杯で母国がニュージーランドを破って優勝。友人と酒場でテレビ観戦し、興奮した。そのW杯の関係もあってなのか…飛行機のチケットが取れず、日本に戻ったのは31日の火曜夜。時差ボケが残っていた。
ノリスは昨年3月、故郷で開催された欧州ツアー(DPワールドツアー)「ステインシティ選手権」で優勝し、同ツアー出場権を手に入れた。昨年は、16年からフル参戦してきた日本ツアー出場が6試合。欧州、アフリカ、中東、アジアと世界各地を転戦した。しかし、最終的な結論は「DPツアーはエンジョイできなかった」。タフな移動、環境の変化が昨年5月に40歳になった体には厳しかった。今年4月末「韓国選手権」を最後に欧州ツアーから“撤退”し、日本に戻ってきた。
「日本は人々がとても温かいし、土地柄もすばらしい。ホームのように感じるんだ」。今季は日本ツアー出場17戦で、直近2試合は連続トップ10。2021年「日本オープン」以来の日本ツアー7勝目へ。「今は自信がある。機が熟した感じだね」。首位と2打差で迎える週末を前に、不敵に笑った。(兵庫県加東市/加藤裕一)