簡単だから難しい? 石川遼と中島啓太は韓国で“モヤモヤ”スタート
◇日韓亜男子共催◇シンハンドンヘオープン 7日(初日)◇クラブ72CC・オーシャンコース(韓国)◇7204yd(パー72)
韓国で行われる3ツアー共催大会を前に、選手たちからは「コースが簡単だから伸ばし合いになる」という声が多く聞かれた。しかし、ふたを開けてみると“そこまで伸ばし合いにはなっていない”印象も受ける。伸ばせそうで伸ばしきれない、そんなもどかしい一日だった選手も多かったのではないだろうか。
4アンダーで折り返しながら、結局2アンダー46位にとどまった石川遼は、悔やんでも悔やみきれない様子だった。「トップしたりダフったり、後半のアプローチのミスが痛かったですね」と、13番(パー5)と16番で喫した2つのボギーを嘆く。
グリーンを外した場所もライも悪くなかっただけに、ショートゲーム巧者らしからぬスコアの落とし方でもあった。「難しいアプローチをミスしてボギーとかなら分かるんですけどね…。短めの洋芝のアプローチをかなり重点的に練習してきたんですけど、生きなかった感じ。きょうはボギー(4つ)をたくさん打ちすぎた」。準備を重ねて試合に臨んだからこそ、持ち味を生かせなかったフラストレーションが募る。
8アンダーで首位に立ったデビッド・プーチ(スペイン)ら上位が突き抜ける一方、3アンダーからイーブンパーに70人近くがひしめく“団子”状態。日本ツアーの賞金ランキング2位と好調な中島啓太は4バーディ、1ボギー1ダブルボギーの「71」で1アンダー71位。現状2アンダーのカットラインを見上げるスタートになった。
団子状態になっている理由を聞くと、「グリーンもほんとにキレイですし、そんなにボコボコにはならないので、やっぱりコースは難しくない。でもその分、攻めすぎるとショートサイドが難しいので、みんな意識してセーフティに攻めたりして、伸び悩んでるんじゃないかなと思います」と説明してくれた。まさに簡単がゆえの難しさ、といったところか。
この日は7番と18番のパー5で2オンに成功してバーディを奪ったものの、13番では2打目を池に入れてダブルボギー。チャンスホールでのダブルボギーは、相当な痛手だったのだろう。「やっぱりパー5がこのコースのチャンスだと思うので、そこでスコアを伸ばしたい。逆にパー3がちょっとタフ。そこだけ注意しながら予選をクリアしたいなと思います」と2日目の巻き返しを誓う。
石川も中島も味わった「簡単がゆえの難しさ」。伸ばし合いにならなかった理由の一端が、そこにあったのかもしれない。(韓国・仁川/服部謙二郎)