メンタルトレーニング導入 河本力は初優勝大会でもう一度「チャレンジャー」
◇国内男子◇Sansan KBCオーガスタ 事前情報(23日)◇芥屋GC(福岡)◇7126yd(パー72)
ホームコースで行われた直近大会「横浜ミナト チャンピオンシップ」で予選落ちした河本力はオープンウィークで自らに変化を加えた。姉の河本結の紹介で初めてメンタルトレーナーに師事。不満が募るシーズンの後半戦を見据えた意識改革だ。
メンタルヘルスケアを手掛ける兼下真由子さんとの1回のセッションは、対面またはオンラインでプレーの問題点を洗い出し、助言をもらいながら、瞑想も行うという。試合がなかった“夏休み”の2週のうちに、3回実施してきた。
賞金王を目指す2年目のシーズンはここまで優勝がなく、トップ10入り4回、ランキング23位では物足りない。「去年よりも(技術的に)レベルアップしている確信があるのに結果が出ていない」ことがもどかしい。
トレーニングで気づかされたのは、1年前との心構えの違い。「去年は前半戦にレギュラーツアーに出られる立場じゃなかったので、『ガムシャラに、失うものは何もない、上だけを目指して』やる感じだった。ことしは『賞金王にならないといけない』、『去年より絶対いい成績を出さないといけない』焦りがあった」
客観的に見れば順調にラウンドを重ねているはずが、小さなミスに過度に反応してリズムを崩す悪循環。「反省はしないといけないけれど、過去を振り返りすぎるのは一番やってはダメ」という助言が胸に響いた。前年大会でレギュラーツアー初優勝。初めてディフェンディングチャンピオンとして試合に臨む心境は「チャレンジャーの気持ちで」と、再度まっさらになった。
「技術だけでは4日間戦い抜くことは厳しい。メンタルがしっかりしていないと優勝争いの場面で良いパフォーマンスもなかなかできないと思う」。近い世代にして現在賞金ランキングを引っ張る中島啓太、金谷拓実らのプレーぶりはそんな精神コントロールの充実ぶりにもある。「もちろん連覇も狙っていきますけど、試合が始まったらできることだけに集中する」と河本。残りシーズンでの猛チャージへ、頼もしいピースが加わった。(福岡県糸島市/桂川洋一)